バレイショ遺伝資源開発学講座

国立大学法人 帯広畜産大学
〒080-8555 北海道帯広市稲田町西2線11番地

PGEL便り(2018年)

遅い雪

今朝の温室年の瀬も押しせまってきた12月になっても雪がない珍しい年でしたが、ようやくやってきました(右の写真は今朝の温室)。積もった直後はいつも幻想的な光景が広がります。が、うっとり見とれていると赤信号の手前での段階的ブレーキのタイミングを忘れて、ずるずる~っと前に出てしまいます。十分に気をつけます。

現在、温室には早晩性の調査のため1,000個体を超える植物がおります。典型的な早生型個体は早々に止葉を出し成長を停止しましたが、晩生型個体は節間が伸びまくりで支柱の高さを超えてしまい、ポキポキ折れて深刻な事態でした。そこで新たな作戦として、支柱を天井に格子上に寝かせて、そこに紐を通して植物を絡ませてから支柱と結びつけることにしました(右下の写真)。今のところ効果抜群です。なんとなくトマト農家みたいな雰囲気になり、結構気に入っています。しかし、どこまで伸びるのか、茂りすぎて開花調査も悪戦苦闘です。冬至まであと2週間、ヒトもイモも早く強い太陽の光がほしいです。

早生型晩生型
左は早生個体で、右は晩生個体

学会会場また、先週は横浜にて開催されました分子生物学会に参加してきました(左の写真は学会会場から)。酵母も線虫もヒトも植物も分子の世界では共通の場に集うのがとても魅力的です。勿論、植物はマイナーですが、逆に植物の研究でしか成し得ないことが客観的に見えてきます。そして植物の中でもさらにマジックボックスの倍数体植物であるバレイショはジェネラルな遺伝学は通用しない大きなデメリットがある反面、ユニークな研究の宝庫な気がします。これからもたくさん勉強しながら、いいとこ取り+斬新性で活躍していきたいと思います。

本年も色んな場面で繋がりを持ちました皆様方には大変お世話になりました。
この場をお借りして心より御礼申し上げます。

(2018年12月7日 實友)


NGPSセミナー2018

畜大ハロウィーン
かぼちゃの生育が悪く、行き交う人は誰も見てくれない?ちょとさみしかった畜大ハローウィン

例年は猿山の猿の様に皆で雪に埋もれながら温泉につかっているのですが、今年は冬を感じさせない清々しい晩秋の情緒が漂う十勝川温泉にて、次世代バレイショセミナー(Next Generation Potato Seminar) が開催されました。飛行機を乗り継ぎ、長時間バスや列車に揺られ、あるいは何時間も車を運転しお越し頂きました皆様、また日ごろからお世話になっております十勝管内の皆様、ご多忙の中参加頂き誠にありがとうございました。嬉しいことに過去最大の人数となりましたが、参加者69名一人一人にとって稔りある有意義な2日間となったことを願います。

イノベーションを起こすには、お互いの積極性が必要です。これからもこの日本の北端でバレイショの研究、開発、事業の情報が交差し、融合し、世界の最先端を行く事業へと展開していくことを期待しております。また、何かセミナー中に感じた問題点や要望がございましたら、次回への課題と致しますので、どんなことでも教えて頂ければと思います。 では、本日から私たちも早速、セミナーにて頂きました宿題を1つ1つ実施していきます。
皆様と次回お会いできることを楽しみにしております。

(2018年11月12日 實友)


われらの9月はどこへ??

イモ堀り、イモ集め、収量調査に明け暮れ、9月は過ぎ去りました。十勝のバレイショ生産者の収穫作業もほぼ終息を迎えております。収穫終盤は霜の予報まで出ていた地区もありましたが、なんとか回避できたようです。早くも寒い季節にはや代わりで、これからのマメの収穫が急ぎ立てられます。

無防除畑収穫作業無防除畑収穫作業2なぜか当講座の今年のこの1か月は、今までで一番切羽詰まった状態に陥りました。天気の都合、他の作業との都合、メンバーとの都合、掘らないといけない時に行けない、収穫を地中で待つイモ達のことを考えると居ても立っても居られない、このどうしようもないそわそわ感…。そうかと思えば、一気に作業がぶつかり、連日朝から晩まで休みなく働き、午後6時から泥まみれのままパソコンに向かいはじめ、疲れ果てて全身バッキバキで痛くて寝られないという事態もありました。畑の仕事というのはなかなか思うようにはいきませんね。(右上の2枚の写真は、草むらの中のイモを探す、無防除区の収穫作業風景)

一方で、10年スパンの中間育種の仕事もはじめの頃の成果がようやく公表できるレベルまで来ています。野生種からの疫病抵抗性遺伝子を入れた材料がもう十分食べれる!状態にまできました。1株当たりの収量はとんでもなく多く、目を疑うほどの数値を出しています(写真右下)。野生種のえぐみがどれだけ残っているのか、恐怖の食味試験でしたが、意外と問題なく美味しく頂けました(一部を除いて)。これから品種になるのがとても楽しみです。この楽しみが育種をはじめとするものづくりの醍醐味だと噛みしめています。

収穫作業収量

左は疫病抵抗性系統の収穫作業
右は疫病抵抗性系統から選抜して持ち帰った個体の1株当たりに取れたイモ(一番上がAtlantic)

大海原気分転換に尋ねた大海原と2つの夕日
(2018年10月9日 實友)


大地震、大停電

麦稈ロールこのたび、北海道は大きな地震と大規模な停電に見舞われました。大きな被害に遭われました方々へはお見舞い申しあげる共に一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

当講座のメンバーおよび、研究に関する設備や材料は全て無事です。地震発生から2時間半後の午前5時30分から通電した48時間後まで自家発電機に4時間おきに給油を行い、昼夜を通して守り抜きました(右の写真は、発電機に繋がれた冷凍庫たち)。他の研究機関では考えられないのかもしれませんが、当実験室のある研究棟には非常電源というものがなく全滅の危機でした(大学全てが非常電源を失い大惨事に…)。マイナス80度の冷凍庫には、PVYウイルス病原葉、RNAサンプル、DNA抽出待ちの500系統の葉の凍結サンプルが入っており溶けたらおしまいでした。マイナス25度には、大量のDNAサンプル、酵素、試薬、プライマーがあり、その中にはこれから全ゲノムSNP解析のためにアメリカへ送ろうとしている大事なDNAや、失ったら最後の30年間大事にしている材料や遺伝資源もあり、全身全霊をささげて守りました。 発電機のガソリンがなくなり、自分のバイクから一滴残らず抜き取り、ガソリンスタンドの地下タンクからガソリンを手動で汲み取り、発電源を繋ぎ留めました。

実生

密閉状態の温室には播種してから1週間、出芽がはじまったばかりという一番大事な時期の実苗がありましたので(右の写真)、急いで側窓を手動で開けましたが、それでも天窓が開けられず室内が高温になりましたので、野外に台を設置しそこへ実生を並べて、さらに上にトレーを被せて日陰を作り守りました。最悪の事態を防ぐことができて本当によかったです。

今回、生活する上で必須だったものは、懐中電灯、カセットコンロ、ラジオ、スマホと非常食でした(掘りたてイモはたくさんありました!)。発生から1週間が経とうとしていますが、スーパーやコンビニの棚を見ると、必ずあるはずの物は何もなく、電気が消され、張り紙がしてあります。しかし、それに驚く自分に一番驚きました。コンビニにおにぎりやパンや弁当が365日あって当然で、無くなっては大変だと思って生活をしていることがなんとみっともないと思いました。関西ではこんな時にこう言います「無くても死なへん」。 野菜に旬があるのが当たり前のように、すべての食糧に旬=採れる時期があります。 冷蔵すれば30年以上生きられる種子作物であっても、食物としては、新米、新蕎麦というように最も美味しい旬があります。イモだって北海道では1年に一回しか収穫できません。 掘り立てのイモの粒子が光輝くホクホク感のある味と、2週間置いたイモの美味しさ全てが整った様な落ち着いた味は違います。ましてや半年以上寝かせた甘いイモはまるで別物です。それを一生懸命、生産者、物流者、販売者、製造者等々が栽培、保存、流通、貯蔵、加工といった全ての面で工夫して、味をできるだけ均一にして通年供給できるように保っています。どんな食糧に関してもそれは同じことですが、そんな基本的な事をほとんど忘れ去って生活しているのではないかと思います。

毎日色々と自分の健康に良いものを食べて日々の生活の質を向上させるのはとっても良いことです。規格に合った食品を通年供給できるシステムは社会にとって素晴らしいことです。しかし、それが手に入らなくなったとき、焦り、怒り、慌て、誰かに責任を問うのではなく、仕方が無いなと受け入れられる臨機応変さと許容量の広さを持って生活していかなくては最も大切な「食料の価値」を見失ってしまうのではないかと思います。
「無くても死なへん、ある時に頂きます」でいいんですね!
人の命を繋ぐ食料です、それは我々人間にとって常に尊い存在でなくてはなりません。

更別でコスモス
左は更別にて鍬でイモ掘りの様子、右は秋景色

p.s. 十勝はイモの収穫真っ最中です。天気が悪く地がぬかるんで掘り辛い日が続いておりましたが、ようやく土も乾いてきました!頑張りましょう!!!

(2018年9月12日 實友)


一朝一夕、トカチの夏

麦稈ロール

30度を超える夏日が14日間ほど続きました、寝苦しい日は3, 4日でした。既に木々の葉は紅葉し始め、これから足早に秋に差し掛かる十勝です。どうなることかと思った暑さも終わりを迎えると寂しいものです…。こんな一瞬の夏でしたが、この間に畑の作物は大きく変化しました。トウモロコシの実は熟し、ムギは刈り入れられ、バレイショは黄変期を迎え、低温派の病気が停止する一方で高温派の病気がぐんと広がりました。生育期間中は寒いか暑いかの二択しかない、そんな過酷な日々が続きましたが、本年度は今のところ大きな減収はないようです。(温室前の畑のトウモロコシは軒並みキツネに食べられ壊滅しましたが…)。例年より2週間早いあがりとなった網室内の選抜実生個体の収穫も無事に終わり、材料づくりも秋作へとまっしくらです。

実生個体収穫完了
実生個体の様子(左)と収穫後乾燥中の様子(右)

PGEL系統ラボの事業として、北見農業試験場に見学へ伺いました日は超炎天下でしたが、遺伝育種学的にも理に適った方法でPGEL優良系統を上手に育種に利用して頂いる光景を見る事ができ大変に感銘を受けました(右の写真)。北見農試のバレイショ育種の皆様ありがとうございます。優良品種育成に繋がりますことを祈っています!

7月中はバレイショ生産者の畑へ視察に行ったり、疫病菌の接種試験のために北大植物病理学研究室の皆様がいらっしゃったり、デンプン業界の方が受託研究の進捗状況を伺いに来てくださったり、オープンキャンパスで大勢の人が野生種を見に来たりと、人の往来が激しい月でしたが、訪問先の皆様にも、訪問された皆様にも、我々の事業や材料が期待されている様子で大変にありがたく存じます。材料づくりも応用研究も皆様との情報交換によって支えられています。これからもどうぞ宜しくお願いします。

生産者圃場遊走子のう
訓子府の生産者圃場(左)とジャガイモ疫病菌(遊走子のうが見えます)(右)

(2018年8月7日 實友)


脅威なる蝦夷梅雨

Show garden
花盛りの温室前のshow garden

小麦先週の西日本地域の大洪水の翌日に私用のため、関西へ飛びましたが、電車も高速道路も動かず大変な状況でした。被災されました方々には心からお見舞い申しあげる共に一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます

十勝も1ヶ月以上雨が続いており太陽が見えません。春の天候に恵まれ、例年より作物の生育が早く今年は間違いなく良好だと言い合っておりました6月上旬迄(右の小麦畑)でしたが、現在はどの畑を見ても過水状態で水溜りが畑に出来るほどで、土がぬかるみ農業機械が踏み込むことができず、病気が出ても防ぐ術がない状況です。ドローンを飛ばしてなんとか防除を行っているところも多くあると聞いていますが、早くこの梅雨が明けますように祈るばかりです。

田中農場無農薬栽培私たちの畑の様子も心配です。ある畑では、植えつけた種イモが小さすぎたせいと、出芽と除草剤散布とのタイミングが合わず、出芽不良となってしまいました。来週もう一度見に行ってみますが、なんとも心が痛い状況です。残りの畑に関しては、初期成育が遅かったり、欠株があったり、雑草に負けてしまいそうな状況であったり、不安要素は無限にありますが、今のところ順調と言えます。花盛りのシーズンがはじまり、大切な塊茎肥大期はこれからですので、頑張ってもらいたいです。
(左は出芽不良の畑で、右は無農薬栽培の畑)

北農研1n北農研2
左が6月23日、右が6月28日の様子

2500個体からのDNA抽出は破砕できなかったり、プレートの底に穴が開いたりと悪戦苦闘の結果、なんとか系を確立し、3週間でサンプリングからマーカー検定までを全て終わらせることができました。あとは収穫まで、疫病菌との戦いと、雨風、熱波との戦いです。

(2018年7月13日 實友)


完了、ま・き・つ・け!

植え付け皆さま、5月の植え付けシーズン、たいへんに、たいへーーーんにお疲れ様でした。植えるものが植えられていないと、そわそわして地に足着かず、心ここにあらず、の状態でしたがようやくあるべきものをあるべき位置へ撒きました。連休前に植え付けられた十勝の生産者のバレイショ畑では、もの凄い勢いで植物が育っております。気温が高く、まとまった雨もあったせいか、今のところ本年は驚くべきスピードです。1日1日で生育の差が出る様子が伺えますが、この差が最後まで影響するのかどうか是非教えて頂きたいところです。(右の写真は疫病抵抗性選抜系統の植え付けの様子)

実生我々の実生の方は、今年から新設した網室で育成中です(右の写真)。昨年までの雨風吹かぬ温室育ちの形態とは非常に異なり、ガッチリ、シャキッと育っております。この姿の方がきっと十勝の気候に合った系統を選抜できると期待しています。

また、研究の方では、大学の地域連携推進センターに顕微鏡室をセットアップさせて頂きました。顕微鏡が4台並ぶ立派な部屋になりました。センターの皆さま、さまざまなご配慮、心より感謝致しております。下の写真はその顕微鏡を使って撮影した花粉管伸長の様子や染色体の様子です。昨日は学生と一緒に野生種S. stoloniferumと栽培バレイショの雑種の花粉形成の過程を観察していましたが、減数分裂後の四分子期から成熟花粉ができるまでに色んなことが起こっていることが分かりました。毎日、立ち代わり入れ替わり、学生達と共に実験しています!これからも新しい現象をどんどん発見して、役立つ結果を出していきたいと思います。

顕微鏡室染色体と花粉

そして、6月からはマーカー選抜のための膨大なDNA取りが始まりますが、破砕装置に入れても葉が潰れず四苦八苦しています。これから改良予定です!

(2018年6月4日 實友)


北の春、延べ3日

桜

水芭蕉北国に春が突如とやってきました。つい先日まで雪が降り、氷点下の朝を迎えていた十勝ですが、数日前から急に、蝦夷山桜、北辛夷、水芭蕉、座禅草、片栗、蝦夷延胡索、蝦夷紫躑躅、二輪草、大花延齢草、東一華、蝦夷立金花、等々、全ての草花が開花し、最も賑やかな時期を迎えました。しかし、この華麗な花々も3日間で散り去り、新緑へと瞬く間に変化するという劇的な春の早さです。

日高の桜
左は日高山系のサクラ  右はミズバショウの楽園

カタクリカワラヒワと定植後のビート苗
左はカタクリの園  右はカワラヒワと定植後のビート苗

地霧春の作業
左は地霧に覆われる畑  右は春の作業中

気温も高く雨も少なく、畑での作物の植え付け作業はこの上なく順調に進んでいる様子です。我々の種撒きも学生の援助もあり無事に終了し、ひとまず一安心です。また、数日前からはいよいよ共同研究先の畑の材料の植え付けを開始し、天気予報を見ながらそわそわする日々を送っています。

今シーズンからDNAマーカーによる選抜のために先日植えつけた種子より得られる植物体、ざっと2500個体の大量サンプルからDNAを取る予定です。ですので、そのためにサンプル破砕装置と遠心機を購入しました。効率的な育種をするための第一歩ですが、そのための初期選抜の労力も相当ではないかと覚悟している次第です。畑での選抜と実験室での選抜の兼ね合いがこれからの育種の課題です。いかに少人数で、いかに低予算で、いかに確実によい品種を作り出すかを考えてやっているつもりですが、イモ相手の仕事は経験値が一番かも、、、しれません。

(2018年5月8日 實友)


行く鳥、来る鳥、咲く花々

渡り

遺伝子で説明がつかないのか…毎年同じ時期に、鳥は何を感じて渡るのか、花は何を感じて咲くのか、大きな自然の流れを感じている季節です。

クロッカス福寿草
左は校内のクロッカス   右は校内の福寿草

レンジャクシマエナガ
左は渡来中のレンジャク              右はシマエナガの巣作り

当寄附講座は次期5年の契約を結ぶことができました。引き続き寄附して頂きました方々に心より感謝いたします。ありがとうございます。これから5年間、さらにバレイショ育種ならびに農業に貢献できるように事業展開していきたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。

新学期になり、卒業して行く人々、入学して来る人々がおり、 人事異動があり、移動して行く人々、移動して来た人々の往来がありました。 「諸法無我」万物は絶妙なバランスで全て繋がっていて、其の中で変化している、という言葉が脳裏に自然と浮かび上がります。一度繋がりを持った皆さんとは例え卒業しても、部署が離れても、大なり小なりこれからも互いに影響し合って日々過ごしていくのではと思います。また初めてお会いする人々、再会する人々は何かの力が引き起こしたご縁です。今後とも皆様とよき繋がりをもって、互いに発展していきたく存じます。

どうぞ、よろしく!!!!

(2018年4月10日 實友)


佐々木が!

こんにちは。今回は實友先生に代わりまして、畜大修士2年生の佐々木が担当します。
3月に入りすぐ大雪に見舞われた帯広です。まだ路肩には大きな雪山が残っています。そして今日は生憎の雨模様・・・。またこの時期は、暖かくなったり、寒くなったりと体調管理にも気をつけなければいけませんね。

先日、本学でも学部の前期一般入試の合格発表がありました。小学生の時から一貫して「作物の品種改良に関わる研究がしたい」と思い、大学の門を叩いたのが6年前、私にとって長いようであっという間の6年間でした。新入生には、日本の食料基地である北海道・十勝で充実した学生生活を送れることを願うばかりです。また、バレイショに興味を持った学生がたくさんいることを期待したいですね。

私事ですが、1月末の修論提出、2月の口頭試問を経て何とか修了できそうです。ご協力して頂いた皆様にこの場を借りて深く感謝いたします。今まで、実家を含め北海道の農家の人たちの役に立つことがしたいと思い、バレイショ遺伝育種学に関する研究をしてきました。将来、私の研究が少しでもバレイショ生産に貢献できればと願います。

先月、卒業旅行を兼ねて九州に一人旅に行ってきました。帰りの飛行機で福岡から新千歳に着いたときは雪模様。同じ日本でもこんなにも気候が違うのだなと改めて思い知らされました。時間の関係上、バレイショ畑を見に行けませんでしたが、次回は必ずバレイショ生産現場を見に行こうと思います。

ちゃんぽんグラバー園
左は本場の長崎ちゃんぽん    右はグラバー園から望む長崎市

ジンギスカンはじめ私だけだった本講座の学生も、今では4年生2人、3年生1人に増えました。また先日、4年生の卒論完成を祝って、学生4人でジンギスカンを食べに行きました(右の写真)。これら研究室の中心となる後輩たちにも、もっとバレイショを好きなってもらい、良い研究ライフを送ってもらいたいです。

私は4月から就職して社会人になります。新天地では、バレイショの素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらい、バレイショの生産・消費に貢献できるように努力していく所存です。

(2018年3月9日 佐々木)


Prograde Motion

朝日
大学構内に差し込む朝日

2ヶ月ぶりの更新となってしまいました。 雪の大学
十勝は真冬です。家を出てから車に乗る前に鼻毛が凍ると、それはマイナス20度以下のサインです!(右は雪の大学構内)
1月はとても息が詰まりました(鼻毛が凍ったせいではありません)。12月31日から始まった疫病菌接種試験で前半はスクリーニングと植物の処理に翻弄し、中旬は当講座の存続をかけて翻弄し、後半は卒論・修論に翻弄し…、外はまだ常に氷点下ではありますが、我々は最も厳しく長い真冬を既に乗り越えたと思いたいです。
まず、今年で最終年次の学部4年生と修士2年生は日々精根尽きるまで卒論・修論の執筆に励んでいます。それに最大限答えるためにも指導者側はこの二ヶ月間"オールタイムスタンバイ"の状態です。この大変な共同作業を通して、互いに学び合い発見しながら最後の仕上げに入っていきます。きっと色んな意味でよい財産になると思っています。あと一ヶ月間、倒れることなく踏ん張ってもらいましょう。

雪上がりの温室早朝の温室
左は雪上がりの温室  右は早朝の温室

疫病菌接種中次に2回に渡る疫病菌接種試験結果は、予定どおり極強抵抗性個体を残すことができました。これからこの個体を親に使って再度栽培種と交配し、イモの形や収量をみながら品種にまでもっていきます。これから一年に1品種、10年で10品種の疫病抵抗性品種をリリースするのが目標です!っと新年なので大きなことを言っておきます。
また今年から研究内容を何とか見える形にしようと思い、少しずつHPに簡単な研究紹介をアップすることにしました。難しい内容もありますが、仕事紹介(日本語)のページを加えていきますのでご閲覧頂けると幸いです。

疫病菌接種後疫病抵抗生個体
右上は疫病菌接種中、下左は疫病菌接種後、下右は疫病抵抗生選抜個体

仕事とは全てそんなものだと思いますが、一方では大きな期待を背負い、何も出来ないことを嘆き、一方では門前払いを受け、何も分かってくれないことに落胆し、心身がすり減り憔悴しながら進むのかと。けれど、一動一静、地球が回っているのが見えないように、大きな事を行おうとすればするほど目には見えない動きになると思って、そして見えなくても回っているということを信じ、それを必要と感じている人がいるからこそ、こうやって仕事に励むことができるのだと感じ、励まし支えて頂いております皆様にいつも感謝しながら、今年も日々仕事に精進させて頂きます。
 現場の声が研究の道標であり、常に我々の軌道です。

(2018年2月5日 實友)