●原料乳と乳製品の化学的、微生物学的な品質および製造特性に関する研究
(1) 各種条件下で飼養した乳牛の乳中に含まれている乳腺上皮細胞から抽出した遺伝子における乳タンパク質成分の生合成活性の変動を調べ、乳量、各乳成分の生産性との関係を研究します。
(2) 原料乳中の酵母の分離、同定を行い、乳牛個体乳から酪農家のバルク乳、さらに集乳タンクローリー乳から乳業工場までの各段階で混入する酵母の種類と動態を明らかにし、酪農家から乳業工場までの間の衛生的な乳質の管理のあり方を探ります。
(3) 中央アジアなどの伝統的自然発酵乳(イエメン産ラバン、インドネシア産マジワララ等)を収集し、乳酸菌や酵母を分離し、同定して微生物学的な特徴を明らかにし、その発酵乳のカード物性、風味成分を分析して、伝統的自然発酵乳を化学的に解明し、新しい発酵乳や乳製品を開発する基礎研究をします。

●各種哺乳動物の乳に含まれる糖質に関する研究
(1) 人乳や貴重種動物の乳(シロクマ、クジラ、ズキンアザラシ、 オットセイ等)の新規のミルクオリゴ糖の分離とその構造解析を行い、各種動物の進化について研究します。
(2) 貴重種動物の乳を含む各種動物の乳(乳牛、馬、羊、ヤギ、犬、その他)のシアル酸の構造解析を行い、これら糖質のもつ生物機能について解析します。
(3) 貴重種動物の乳に含まれる新生仔の成長に重要な糖類を解明して、その糖類を当該動物用の調製乳に添加できると、動物の親が子育てを放棄したり、動物園などで飼育される動物の新生仔の育成が可能になります。

●乳業用乳酸菌の細胞表層多糖類の化学構造と、これらの多糖類が有する栄養生理学的機能の関係に関する研究
(1) 乳業用乳酸菌の細胞表層多糖類が人体内における免疫賦活にどのように関連しているかを解明する研究をします。
(2) 発酵乳などにこれら有用な栄養生理学的機能を有する多糖類を添加できれば、人の健康に有益な機能性因子を賦与された新しいタイプの発酵乳や乳製品を開発することができます。