生物はその遺伝子に進化の過程で蓄えてきた「潜在力」を備えます。その潜在力は「遺伝資源」と呼ばれ、生物を資源として産業に利用するための研究がさかんに行われています。生物資源を利用するにあたり、生物を「有用物質の生産、環境対応、そして新規有用物質の同定」の三つに大別できます。畜産資源生体機能制御学ユニットでは、獣医畜産領域由来の生物資源(畜産生物資源)の潜在力に着目し、生体機能を制御する新規生理活性物質の発掘とその作用機序の解析を目指します。本学の特徴を十分に活用するための畜産生物資源として、特に原虫、乳酸菌、常乳に注目し研究を進めます。分子生物学、タンパク質工学、生化学、バイオインフォマティクスを駆使して、畜産生物資源ライブラリーの整備を進めます。In vitroのスクリーニング系を構築し、免疫活性化作用、抗酸化作用、脳神経保護作用を有する候補因子を探索します。1次スクリーニングで選択された候補因子は、抗体産生、T細胞の活性化、感染症モデル、動脈硬化モデル、糖尿病モデル、遅延性神経細胞死モデルを指標に用いたin vivoスクリーニングを行い、さらに各種モデルにおける病理解析を加えることで、生体機能制御に関する詳細な解析を実施します。さらに、本学の留学生所属機関を対象にした海外フィールド展開により、新しい畜産生物資源の開拓を進めます。本セルユニット発の畜産生物資源から得られる研究成果を基盤に、海外フィールド展開を通じて、海外関係機関との新たな協力体制、新しい畜産生物資源及び有望な海外人材資源の確保を念頭に教育研究活動を実施します。
Biosystem Control by Animal Husbandry Resource Cell Unit focuses on discovering new bioactive molecules which can control cell functions such as immune modulatory effects, anti-oxidant effects and protective effects of cranial nerves using in vitro and in vivo models.