帯広畜産大学 / Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

OBIHIRO GCOE: Animal Global Health

アニマル・グローバル・ヘルスの学術的創成を支える18のセルユニット

衛生動物防除学衛生動物防除学

Bio-control and Entomology Cell Unit

AGH助教 相内 大吾

AGH Assistant Professor Daigo Aiuchi

 畜産衛生学上、感染症管理は極めて重要なファクターでありますが、感染症の大部分は蚊やダニなどの衛生動物により媒介されるため、病原体そのものに対してのみならず、衛生動物に対する対策も重要となります。そこで、衛生動物防除学セルユニットでは、衛生動物の共生微生物リソースを世界各地のフィールドより収集し、このリソースを衛生動物媒介性感染症のコントロールのため、生物学的防除ツールとして応用することを目指し、研究を展開します。
 共生は生物界の普遍現象であり、生態系を構築する上での基本種間関係の一つであると考えられます。感染症を理解するうえで、病原体媒介者として重要な役割を担うベクター衛生動物においても、消化管内細菌叢など様々な共生関係が存在します。本研究は、衛生動物・病原体・共生微生物の三者関係を明らかにしていくことで、共生微生物を感染症制圧のための生物学的防除リソースとして応用することを試みるものです。
 衛生動物・病原体・微生物の間には複雑な相利・片利・片害共生関係が存在することが知られています。現在までの我々の研究により、ハマダラカ体内の腸内細菌叢をコントロールすることにより、マラリア原虫の発生・分化制御が可能であることを明らかにしてきました。また、昆虫外部寄生微生物を用いた、農業有害昆虫の生物学的防除に関する研究を展開してきており、昆虫に対する生物学的防除法の有効性を明らかにしてきました。これらの研究はすなわち、衛生動物に共生している微生物の片利・片害共生を利用することにより、病原体とそれを媒介する衛生動物の防除が可能であることを示すものです。 本セルユニットの教育研究展開によって、有毒な薬剤散布などに頼ることのない、より自然な衛生動物防除手段を対象とする新規学術分野の創生が可能となり、畜産衛生学さらには公衆衛生学的見地から、日本のみならず、国際的にも大きく寄与するものと期待されます。

The Bio-control and Entomology Cell Unit is focusing on the research about the biological control of disease vectors such as mosquitoes, ticks or something by the application of symbiotic microbes of them as the “disease vector arthropods killing biological agents.”

Aiuchi Fukumoto
セルユニット構成員
Cell Unit member

福本 晋也
Shinya Fukumoto

小池 正徳
Masanori Koike

前田 龍一郎
Ryuichiro Maeda

仲島 義貴
Yoshitaka Nakashima

嘉糠 洋陸
Hirotaka Kanuka