帯広畜産大学 / Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

OBIHIRO GCOE: Animal Global Health

アニマル・グローバル・ヘルスの学術的創成を支える18のセルユニット

畜産衛生と行動経済学畜産衛生と行動経済学

Behavioral Economics and Animal Health Cell Unit

准教授 仙北谷 康 

Associate Professor Yasushi Sembokuya

 畜産衛生の問題は、イギリスのFMD(口蹄疫)の例を示すまでもなく、農家個々の経済に影響を与えるだけではなく、地域経済や国内経済、さらに世界経済に大きな影響を及ぼす可能性があります。したがって、畜産衛生の適切な水準を確保するためには、農家や企業レベル、地域レベル、国レベル、国際レベルにおいて、適切な管理対応が求められます。しかし、農家や企業は経済行為として畜産業を営んでいることから、衛生確保の対応については、個人や組織の判断に依存するため、かなりの多様性を有しています。衛生レベルの水準が高い畜産農家が必ずしも収益性が高いとはいえない現実があります。ここに、畜産衛生の問題が経済問題として認識される必要性があります。
 本セルユニットは、農家や企業の畜産衛生に対する経済行動について研究し、畜産衛生システムの実効性を高めるための方策を明らかにする教育研究ユニットです。特に、畜産農家や企業行動に対して完全な経済合理性を仮定し、そのもとで畜産衛生問題が発生すると想定することは困難であるとの判断から、経済学に心理学の成果を取り込んだ新たな経済学の領域で、人の行動に対して限定合理性を想定する行動経済学の理論を研究において積極的に応用、発展させます。また、農家や企業の行動は、置かれた経済環境、教育、制度、文化、慣習などによって大きく影響を受けると考えられることから、その作用について解明することも重要であり、したがって、フィールドは途上国と先進国それぞれ複数を設定します。さらに、農家や企業の畜産衛生に対する行動を明らかにするための適切な調査手法や分析方法を開発することも重要な研究課題です。 本セルユニットは、農業経済学、生産獣医学、心理学の複合研究領域として形成され、本セルユニットの課題に適切に対応できる体制を構築しています。

Behavioral economics and animal health cell unit aims to specialize in research on economic behavior of farmers toward animal health. The main fields of this cell unit consist of agricultural economics, production medicine and psychology.

Kanayama Kanayama
セルユニット構成員
Cell Unit member

金山 紀久
Toshihisa Kanayama

木田 克弥
Katsuya Kida

渡邊 芳之
Yoshiyuki Watanabe