西 繁典

プロフィール

出身地:愛知県岡崎市
出身高校:愛知県立刈谷高等学校
趣味:レース観戦(特に4輪)
特技:大食い(それなりに)
研究テーマ:アズキの食品機能性について
研究の背景パネル
好きな言葉:@昨日は今日の古(いにしへ)、今日は明日の昔。
        A人生は楽しいこと半分、つらいこと半分。

2004年論文ゼミ
1.Reduction of Blood Glucose Levels by Tea Catechin(茶カテキンによる血糖値低下)
Natsuki Matsumoto, Fumiko Ishigaki, Akiyo Ishigaki, Hirotoshi Iwashina, and Yukihiko Hara
Biosci. Biotech. Biochem.,57(4),525-527,1993
デンプンやスクロースの吸収におけるカテキンの効果をin vivoで研究した。茶カテキンはラットに水溶性デンプンやスクロースを投与する前に経口投与した。糖負荷ラットは解剖し、血液と腸内容物を2時間まで集めた。一定濃度のカテキンは血糖値上昇を抑制し、同時にインスリン活性を高めた。糖負荷による腸内α‐アミラーゼ活性はカテキン投与ラットにおいて明らかに阻害された。刷子縁膜のスクラーゼ活性もまた前述のカテキン投与群で阻害された。これらの結果よりカテキンの経口投与は腸内α‐アミラーゼ活性やスクラーゼ活性を阻害し、それによりある程度のデンプンやスクロースの消化を阻害することで、結果的に血糖値を低下させるのであろう。

用語説明
刷子縁膜:小腸吸収細胞の管腔側膜のこと。
糖負荷:糖の強制投与のこと。
考察 今回得られた結果より、茶カテキンによる血糖値上昇抑制メカニズムは
@ アミラーゼやスクラーゼの活性を阻害
A グルコースへの分解が抑制されているため、血液中へのグルコース吸収に時間がかかる。
B 食後の血糖値が急激に上昇しない。
というメカニズムが考えられる。
しかしアミラーゼとスクラーゼへの作用までに時間差が生じている。これは酵素の分泌の仕方によるものであると考えられる。アミラーゼは唾液や膵液などに含まれている酵素であるが、分泌されるのは糖が体内に取り込まれてからである。しかしスクロースは刷子縁膜上につねにある酵素のため、あらかじめ投与したカテキンが作用したため、0分での活性阻害が見られたと思われる。
この実験には茶カテキンが使用されたが、アズキ中にも同様のポリフェノール類が含まれているのでこの効果はアズキでも見られるものと思われる。

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