展開教育・導入ゼミ

展開教育入門II (食料) 12月11日(木)     I食品の栄養と機能(分担者;小嶋)

農畜産食品の栄養と機能

帯広畜産大学 食料生産科学(食品栄養科学) 小嶋道之

A.食品への期待 (動物性および植物性の食品)

一次機能(栄養性)、二次機能(嗜好性)、三次機能(体調調節機能)

B.これからの食材と食環境の変化 (食の未来はどうなると思うか?)

(1)         劣悪な環境にも耐えられる作物の開発 (アズキの低温障害機構の解明)

(2)         健康機能性の高い食材の開発 (ポリフェノール(PP)類の食品機能性)

(3)         ガン予防に有効な食材の開発 (アズキPPによるアポトーシス誘導)

(4)         食物アレルギーや花粉症に対応した食材の開発

(5)         農薬使用量が減少した食材の開発

原因が科学的にわかれば解決できる。

C.遺伝子組換え食品と機能性食品

   GM (Genetic Modification)、遺伝子工学、組換えDNA技術
   GMO (Genetically Modified Organism)、トランスジェニック生物、遺伝子改変生物

 1. 取り組むきっかけ

     ミシガン州立大学での仕事(2000年度)が植物油の含量やその性質を改変した植物を作ること

 2. 最近の遺伝子組換え食品の状況
     国内でも遺伝子組換え食品の混入が判明して、製品の回収騒動や表示の義務化された。

 3. 遺伝子組換え技術の目的とその道のり
    生産性の向上や高付加価値のために開発が進められている。

 4. 遺伝子組換え食品の生産過程について

(1)          有用遺伝子の単離

(2)          遺伝子の導入と植物体の育成

(3)          遺伝子組換え植物・食品の評価(マウスやラットを用いた安全性試験)

 5. 家畜の質的向上・増産と実験動物における検討;
    動物バイオテクノロジーについて
効率的な家畜生産システムの功罪

 6.よく言われる問題点をどうやって克服するか?
 
  (1)環境に安全か?生態系を壊したり、野生生物の生存に影響を与えないか?
   (2)
人や動物・家畜が食べて大丈夫か?毒性がないことの証明は?


D.農畜産物の未利用成分の利用法の検討
    農畜産未利用成分の飼料化・肥料化(微生物利用) 
   実験動物・動物培養細胞を用いた栄養機能性の評価


2003年導入ゼミ(小嶋担当)

テーマ:生物学的ものの考え方を学ぶ。生物学に関連する内容を発表と討論する。

1.発表のグループを決める。3人x5グループ程度 (今日の時間に提出)

2.
発表のテーマを決める。生物関連であれば何でも良い。ビジュアル生物学の目次項目等を参考にする。(今日提出)

3.
役割分担を決める。(今日決めて提出)進行係り(まとめ役、連絡係り)発表係り、書く係りなど 話し合う場所と時間 OHPを作る 当日発表する人 (質問に答える) 最終報告書を提出する。(質問の答えも含む)

4.
OHPシートは12枚程度(何人かで購入して折半してください)。身近な話題を意識した内容とする。持ち時間5分程度。本そのままを写すことはしないで、各グループで興味を持った事、調べた内容を報告する。片寄っていてもOK。狭く深く。質問時間は5分程度

5.
発表の順番:出席番号順で行う。

6.
(ルール)発表はグループで行う。レポートは各自が作成して提出する。レポート内容は、自分達の発表内容と発表を聞いてその感想や興味を持ったことをまとめる。また、質問した場合、質問とその回答をレポートにも記入する(点数アップ)。

発表内容の例;

生物を特色づけるタンパク質について---アミラーゼについて調べる。比較する。----

生体を防御するタンパク質について---IgE抗体について、花粉症について----

遺伝を担う核酸について---アミラーゼをコードしている遺伝子、DNAの構造について、----

牛乳のでき方について---乳腺細胞の仕組み、牛乳の成分について、----

野生動物の保護と農業---保護か駆除か、共存するには---

温暖化と砂漠化---食料生産を人口増の問題、---

バイオテクノロジーによる農畜産物の生産技術の革新---

遺伝子組み替え食物

農業の機械化・省エネ化

代替エネルギー生産の方法と可能性 など

3年生オリエンテーション2004423食料生産科学 小嶋道之

<研究室を決める事とは>

・自分を知ること。自分の価値観を知ることから始まる。

研究室とは、小集団の社会である。

科学的なものの見方・考え方を学び、実践する場

ルールを作り、ルールを守る場

ロマンを求めて探求する態度を学ぶ場

その結果について回りの室員と議論して、まとめて発表(口頭、論文)する場

コミニュケーションを磨く場、質問に答える場

テクニックの体験・伝授の場

外部とのかかわり方を考え、実践する場

自分にいっぱい時間が使える場

小嶋研のテーマ:食の機能性、食の安全性、遺伝子組換え食品

・ポリフェノールの有効性と害の有無 (道立試験場、食品加工技術センターと共同)
    材料:豆類全般、特にアズキ、ダイズ、インゲンマメなど
      果実:プルーン、ポリフェノール、ハスカップ

      北海道の野草:ウバユリなど
(予定)

・未利用資源の活用 (民間との共同)
   材料:上記の抽出残査、二次生成物など
   
飼料、肥料としての価値、加工法など

・アズキの低温障害機構の解明 (道立試験場と共同)
    材料:遺伝資源としてのアズキ品種の比較、クロロフィル代謝・活性酸素などの遺伝子発現


分析手法:
化学的分析、生物学的分析
(マウス、培養細胞など)、機器分析(分光計、ガスクロ、液クロ、化学発光)、遺伝子組換え作物・食品の基礎、生物・化学全般、ファイトトロンでの生育、材料の採集・調製、遺伝子発現の検討法

研究室員(2004年11月):
 教官
1名、博士課程1名、修士課程1名、4年生3名、3年生2名、研究生1

担当授業:
応用生物化学概論、細胞生物学、分子生物学、栄養機能化学、ゲノム機能科学、環境計測学、生物学実験、展開教育入門、畜産食品科学実習
I,II,III,IV、すべて分担

学会参加(分野)
生化学会、食品科学工学会、栄養食糧学会など

研究室行事:
お茶会(月
1回)、コンパ(年複数回)、キャンプ

生涯学習:
出前授業、大学体験入学、公開講座、帯広市のイベントなどに参加(ボランティア活動)等

スポーツ:
卓球、テニス、スキー、ソフトボール、ミニバレー、ミニサッカーなど


就職・進学(最近の実績):
日本食品分析センター、音更農協、四つ葉乳業、日東バイオン、ホクレン、自営業、畜大大学院
(修士)、東北大大学院(博士)

希望:好奇心の旺盛な人、コミニュケーション術を磨きたい人、培養細胞、ネズミ、アズキをきちんと世話のできる人、明るい人、進学希望の人、早起きの得意な人など


2003年度 卒業研究の紹介           小嶋道之 専門:生物化学、食品科学

授業科目:
 細胞生物学、分子生物学、栄養機能科学、ゲノム機能科学、他


私の目指しているもの:
 生命の根源である食料の有用性を科学的に解明して、食料となる動・植物の生産に結びつける


卒業研究のキーワード:
食品の機能性、実験動物を使った吸収・消化の機能解明、遺伝子解析(クローニング、発現解析)



 研究の方向性
1.機能性物質の生理メカニズムの解明
     キーワード:ポリフェノール、食物繊維様物質、試験管内、動物培養細胞・動物実験

    ・抗酸化作用を持ついろいろなポリフェノール類の機能評価
       ・血清コレステロール低下作用を持つ豆類食物繊維様物質の機能評価

2.機能性物質の分離精製と構造の活性相関
      キーワード:分離精製技術、構造解析

    ・食物繊維様物質の分離および構造との活性相関
       ・豆類および果実類のポリフェノール類の構造と活性相関

3.遺伝子組換え作物へのアプローチ
      キーワード:クローニング、プロテオミクス、トランスジェニック植物

    ・酸化ストレス応答性遺伝子のクローニングとタンパク質工学
       ・機能性物質の量や質の変換

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