科学実験「バイオテクノロジーの基礎」

2004年度 帯広畜産大学・大学開放事業 
--食の安全と遺伝子組換え食品--

日時:8月5日(木)〜6日(金)
場所:帯広畜産大学総合研究棟III 2階講義室及び1階実験室 
対象:高校生と高校の教員

講座の目的と概要:食料の安全問題は、帯広畜産大学が掲げる教育の3本柱の一つです。この問題は、大学生や大人だけの問題ではなく、子供達にも日頃から考えてもらうべき課題の一つです。しかし、日本の農畜産物の本拠地である北海道十勝においてさえ、実際の学校教育の中ではほとんど行われていないようです。目的は、遺伝子組換え食品の世界的な問題やそれを支えている科学技術の発展、大豆を含めた将来の食料の問題を総合して考えてもらう事です。帯広畜産大学の講義室や実験室を使った基礎的なプログラムです。

日時:2004年8月5日(木)、6日(金)
場所:帯広畜産大学 総合研究棟III 1階実験室と201講義室
参加対象者:中学および高校の教員と高校生 (全体で15名)
参加費:無料

具体的な内容: 本講座は、「遺伝子組換え大豆と食の安全」に関して講義と実習を2日間行います。昨年、北海道でも実験圃場を使うかどうかで話題になった遺伝子組換え大豆を題材にして、組み込まれている遺伝子のPCRによる増幅を実際に行い、アガロースゲル電気泳動で確認します。また、生命科学や遺伝子操作技術等の基礎講義、環境に与える影響とその対策、将来の地球規模での食料確保の問題についても考え、生徒間で討論してもらいます。

スケジュール(予定)

8月5日(木)
  9:20-9:30 開催の挨拶 (石橋先生)

  9:30-10:00 概要説明と安全対策 小嶋先生
 10:10-11:10 生命科学の基礎(講義とビデオ) 桑山先生
 11:10-12:00 実験:遺伝子DNAの抽出 得字先生
 13:15-15:00 PCRの説明と実験 (実験と講義) 得字先生
 15:10-16:00 遺伝子組換えの基礎 (実験と講義) 小嶋先生
 16:00-16:30 1日目のまとめ(質問など) 小嶋先生

8月6日(金)
  9:20-10:20 環境への影響(講義) 仲嶋先生
 10:30-12:00 PCR産物の電気泳動(実験と講義) 得字先生
 13:15-15:00 食の安全と対策(講義と見学) 五十嵐先生
 15:15-16:30 遺伝子組換えと倫理 (討論) 前田先生、小嶋先生、得字先生

コスモ・バイオ公開講座応援団からの助成を受けています。

食の安全と遺伝子組換え食品についてのアンケートのまとめ

今現在の、主観的な意見で答えていただきたいと思います。遺伝子組換え食品についての国の方針は示されていますが、我々一個人として食の安全を考える時の基盤的な考えをまとめておくことも大切です。このアンケートを土台にして、総合討論をしたいと思います。

Q1.バイオテクノロジーとは、どのような技術をさすと思いますか?いつから始まったと思いますか?

A.化学の力でみんなの生活を便利にさせていく技術だと思う。作物を品種改良して大量に収穫できるようにしたりする技術。自然のままに工夫しても不可能なことで人間の都合の良いように、人間に必要な状態に作り変えてゆく技術。今から20年程前、この言葉がよく聞かれるようになった。品種改良。生物を人為的に扱うこと全般。品種改良を行った時期くらいから。生命工学、生物の技術?品種改良や遺伝子組換え技術。197080くらい・・・。遺伝子組換えを始め、植物の品種改良やクローン。生命に関する全て。きっと最近始まった。品種改良や遺伝子操作。遺伝子組換え、クローン技術。ここ最近だと思う。生物素材を広く用いた新しい産業技術。遺伝子組換え、クローン(牛・羊)、人工胚(植物・ES細胞)、カルスなど人の利益のため、自然の摂理に反するものをつくる技術。30年前。カルス、茎頂培養、葯培養、クローン胚、DNA組換えなどがバイテク。始まったのはプラスミドDNAと制限酵素がみつかってから。世界の食料の量的質的向上や地球の環境改善に貢献するもの。1970ぐらいから。生き物が生きていくための、体のしくみやつながりを知る技術。生命に関する、未来に向けて人間の、そしてあらゆる生命のためになる技術。生命に関する化学的な技術。30年程前。生物、植物を人工的に作ったり変化させる技術。19世紀ごろから始まった。聞いたことはある。1900年ごろ。植物の遺伝子組換えなど。30年くらい前。生命工学、生命・生物を学術的に解明し、これを改良していこうというもの。学問・研究として認知されたのは1920世紀ぐらい?バイオテクノロジーとは、人為的に生物の遺伝子の設計図を変えれる技術だと思う。メンデルが遺伝子を発見したときから・・・?生物の機能を調べ、それを応用し生活に役立てる技術。19世紀初め。生物についての技術。最近。遺伝子を操作したりして、食の品質を高めたりするもの。1970〜かな。動物や植物である種のものと、それとは別の品種のものを人工的にかけ合わせて新種をつくること。1973年。けっこう最近。生物のもっている機能とかを生活に役立てる?品種改良もそうなのでしょうか。そう考えると歴史は古そうです。生物に関する技術。最近。21世紀から。遺伝子などの細かいものを操作する技術。19世紀ごろ。生物を機械みたいに論理的に扱えるような技術。生物のDNAやしくみを調べ、かきかえる技術。いつかの特定は不可能。生物について知り、それを利用してより良くしたりする技術。食べ物を作るときから。生物学(地球上の生物に関わる)においての科学的技術を使ったもの。生物が作る物質を利用した技術。メンデルくらいの時代から。遺伝子について研究すること。つい最近から始まったと思う。生物などの生きているものを使った技術。遺伝子操作。つい最近。品種改良と遺伝子組換え技術。かなり昔(40年ぐらい前)からやっていたと思う。(品種改良)安全性を証明しないと人々に不安を与えてしまうような技術。メンデルが遺伝について研究した時から。生物同士を掛け合わせたり遺伝子を組み換えたりしてよりよいものを作ろうとする技術。17世紀後半。従来の品種改良の方法をより的確にし、望ましい性質を持つ作物や食品を開発することをさすと思う。何世紀も前に始まっている。組み換えDNA技術や細胞を融合させる技術など、医療、品種改良などに応用する技術。始まったのは19世紀後半ぐらいから。

Q2.遺伝子組換え技術と、従来の(交配)技術とはどこがどのように違うと思いますか?

A.遺伝子組換えによって、耐冷性や耐病性など品種改良がいくらでもできるようになった点。栄養素を高めることや、害虫に強いなど補強したい部分を直接改良できる点が従来とは違う。交配技術は多大な手間がかかるけど、遺伝子組換え技術によって手間を削減できるのではないかと思う。交配よりも確実に改良できる。また、交配より色々なことができる。遺伝子組換え技術の方が、より短期間で結果を出せそう。遺伝子組換えの方が、交配技術より正確に早くできる。(何年もかからない)遺伝子組換えの方が高度。前者の方が短期間で欲しい遺伝子だけをとれると思う。遺伝子組換え技術は、遺伝子本体を違う遺伝子とかえる。遺伝子組換え技術は人工的に遺伝子をかえる。交配技術は人工的技術を使わない。あまり大差ないと思っていた。遺伝子は化学的なことをするもので、交配は比較的人の手を貸す程度のものだと思う。スピードと正確性。遺伝子組換えは、本来ない機能を付加することができる。従来の交配では、それは不可能。目的のものを得るまでにかかる時間。人工的なものと自然的なものの違い。交配は偶然に生まれたもの。遺伝子組換えは自然に逆らって人工的にしたもの。交配は突然変異を待つだけ。でも組換えだと他の生物の遺伝子とかを入れて、突然変異でも起こり得ないものとかができるのでは。よくわからない。遺伝子組換えの方は、人工的に受粉を行うぶん従来の技術より確実に生産量を増やすことができると思います。組み換えの場合、必要なことだけを選んで操作できる。交配だとなかなか思い通りにできないが、遺伝子組換えだとすぐにできる。遺伝子組換えは人工的で短期間で結果が出る。交配は自然に近く偶然の要素が含まれていて時間がかかる。従来の(交配)技術では時間と労力が長いことかかるが、遺伝子組換え技術はより少ない時間と労力ですむと思う。より根深いレベル(生命の根源的なレベル)で操作でき、応用範囲が多きにわたる。交配を行うより、正確に直したいところだけを直すことができる。遺伝子組み換えの方が短い時間で新しいものを作り出せる。遺伝子を組み換えるところ。従来の技術は、成果が出るまで何十年もかかる。遺伝子組換え技術は、何年かで成果でき特定の性質を変えることができる。遺伝子の根底を成す塩基配列などの情報を直接改変するのが遺伝子組換え。親のもつDNAの掛け合わせで新たなDNAの構成を生み出すのが交配技術。従来の交配は、その性質を容易に操作するのが難しいが、遺伝子組換え技術は従来の交配よりしやすくなった。遺伝子組換え技術の方が、従来の技術より寒さや病気に強い遺伝子配列にできると思う。かけ合わせたりして、長い時間をかけてやるのではなく、DNAそのものを換えるので、他の環境に左右されない。手間隙、交配の方は思ったものができるかわからない。進化速度がべらぼうに速くなったこと。種の壁をさくさくと越えられること。従来はハズレがたまにあるが、遺伝子組換え技術はハズレがない。(目的にあったものを作成できる)交配はかけあわせることで、組み換えはDNAの特定部位に他のDNA断片を組み込んだり、一部を置き換えたりすること。組み換えには受精・受粉がいらない??従来の交配技術は、遺伝子を換えるのではなく人工授粉や、人工受精などによって交配する。遺伝子組換えは、遺伝子を換える。遺伝子組換え技術では目的とする遺伝子のみを扱うので確実に短期間で行うことができる。従来の交配技術は、ただ合わせるだけ。遺伝子組換えは、遺伝子を調べて取り出して組み合わせる。遺伝子組換えは短期間ですぐに結果がわかる。いかにも人為的。交配は長い年月がかかり、人為的ではあるが、変化が緩やかで自然志向。遺伝子組換えは短い時間で、従来の技術は長い時間をかけるものだと思います。従来の技術では、ただ作物をかけ合わせるだけなのですぐにはうまい具合に改良できないが、遺伝子組換えでは、目的にあった遺伝子だけを改良したい作物に組み合わせるから、すぐに思ったような作物が確実に作られる。遺伝子組換えは、人工的にその作物の遺伝子に受えたい情報だけを組み込む技術で、従来のものは、いろいろな情報が混ざり合う。

Q3.遺伝子組換え技術は、私たちの生活にどのような利益や弊害をもたらすと思いますか?

A.べつに害はないと思う。どうして日本で認められないのかもわからない。病気に強い作物や日持ちする作物などがたくさん作ることが出来るので、冷害などで作物の不作に困らなくなり、生産量も増え、生産者にとってはとても利益になると思う。メリットでもデミリットでもあるが、消費者に食品に対する警戒心及び考える態度が強まる。害虫に強い食物が出来上がる。病気で不作になることもなく、常に安定して食物をとることが出来る。ある程度は便利。精神面における、本当に大丈夫なのかなどという漠然とした不安。行き過ぎると歯止めが利かなくなる(失敗作が流通する・取り返しがつかなくなる)。人口増加。利益は健康を維持し、快適に暮せるようになる。より味が良いものが増える。手間がかからないので、低価格になる。弊害は、クローン人間が出来る。様々な利益をもたらすと思うけど、弊害はない気がする。遺伝子組換え食品によるアレルギーって実例あるんでしょうか?有用な遺伝子を取り入れることで病気などに強くなる。遺伝子組換え技術によって、生産性が向上し安い作物を買うことができると思う。利益:低農薬や高品質の食物の量産。ポスト・ハーベスト農薬を減らす。弊害:富める国と貧しい国の格差が広がる。遺伝子の水平伝播などで進化が加速して種の多様性が減る恐れがある。農薬がどれだけ使われているかわからない食品を口にしているのだから、社会に浸透したら違和感は無くなると思う。そうしたら、利益や弊害も気づかない人が多くなるだけではないか。利益:殺虫剤使用量減で害は少なく、強い作物を育てられるので収穫量贈、コストの一部を消費者に還元できる。

弊害:アレルギーを起こす。また環境に害を与える可能性。消費者は技術・利点について十分理解していないので混乱を招く??利益:健康の増進、栄養状態の改善、伝染病の予防、飢餓の防止、食料の安定供給など、さまざまな可能性がある。弊害:食変化。誤解して食べない人が多い。農業などいろいろな面で能率的になるけど、DNAそのものを取り替えたりするので、不安も残るし、もとからあったものへの価値観が失われてしまう。技術にとって作られたものは安定して店に並ぶが、人間にとって安全なのかどうか消費者側が理解できないことがたくさんあると思う。利益は、食の良い性質を使い、集めることができ、弊害としては、消費者の不安。消費者に安全な食品を提供できる利益。消費者に正確な安全性を理解されない弊害。利益:食糧不足の解消。栄養バランスの調整。弊害:食変化。自然作物の減少。植物等はより育てやすく、むらなく生産できる。人間が思いつかないような害を体におよぼすかも。利益:医学で難病の解明や治療。新種の食べ物の開発。

弊害:生物兵器の開発。予期せぬバグが起きて凶悪な新種の発生(バイオハザード)。遺伝子組換え人間の誕生。利益:伝染病防止。栄養価の増加。食糧危機の改善。弊害:テロ。利益:食糧の増産や安定した食料の供給。弊害:悪用されるかも・利益:アレルギーを生んだ物質を無くしたりする。弊害:将来的に何か危なそう。利益として、農薬・害虫に強いということや、生産量を増やすことが出来るということがあげられると思います。逆に、弊害としては、農薬・害虫に強い食品が人間には無害なのかということや、人間が人工的に作り出したものなのだから自然の生態系に影響がないのかということがあると思います。利益:農薬を減らせるから農業には良いのでは。 弊害:たとえば殺虫の作物つくったとき、殺したくない虫や微生物も殺してしまって、生態系破壊がありそう。

利益:農業が不作なことがなくなる。悪用される。利益は安定な生産が得られること。役に立つ食物等を効率よく作れるのは利点だと思うけれど、人間の遺伝子の組み換えも可能だから倫理的に問題が多くなると思う。(植物が良くて動物が良くない。というのはおかしいとは思うけれど)時と場合によるが、いつか必ず弊害が来る。安定した食生活。遺伝子組換え表示によるゴミ問題。現段階では耐性を持つなどの利益があると思うが、行き過ぎるのは危険だと思う。人口増加によって必要となる食料の供給を増やすことができる。人々に不安を与える。品種改良の幅が広がってよい。遺伝子を組み換えることで悪い食べ物が出来る。安定した食。ちょっと不安。利益:収穫量が増える。弊害:人体に全く影響がないのか?不明。より、体に良い食品を作ることが出来そう。おいしく安全で育てやすい植物(野菜)を作れる。大量生産などが可能になり、値段の低下や、品質向上ができると思う。害虫から守ることによって農薬の使用量を最小限にする。収穫量を増す。栄養を高めたりする。医療や食品面など。

Q4.遺伝子組換え食品は、安全性に問題があると思いますか、無いと思いますか?その理由も書いてください。

問題は無いと思う。厚生省の食品としてのチェックが通ったなら大丈夫だと思う。無いと思います。資料を読んでいても、安全性に問題があるとはどこにも書いていなかったから。今まで遺伝子組換え食品はなんとなく食べない方がいいのかなと思っていましたが、今回の講義で遺伝子組換え食品は体に影響が無いと思ったので安全だと思う。無い。利益があるように改良されているだろうし。無いと思う。そう願いたいから。問題があると思う。自然の摂理に反しているから。収穫量等、目先の利益にとらわれて良いのだろうか?わからない。今まで、「遺伝子組換えは危険」と思っていたのでちょっと不安。あると思う。なにか、まだ体に不具合が生じてしまうかもしれない気がする。あると思う。テレビなどでそういっていたから。前は遺伝子組換えの知識の無さから不安に思ったが、今は大丈夫だと思う。基本的には全く問題は無いと思う。遺伝子組換えと品種改良はさほど変わらないと思ったから。無い。何かあったと聞いたことが無い。いつか必ず安全性の問題が生じるであろう。無いと思います。きちんと検査されているならばですが。

無いと思う。安全性を高めるために、遺伝子の組換えをすると思うから。ある。遺伝子組換えという言葉自体に問題がある。別のアレルギーとかが起こりそう。組み換えによって意図してなかった効果もありそう。まだわからないと思う。なぜなら、まだ新しい技術なので将来的に何か問題が出るかもしれないし、何もないかもしれないから。今の時点では、まだ安全であるかどうかはっきりした結果は得られないが、私は、いずれ多かれ少なかれ問題が出てくると思います。なぜなら、遺伝子組換えで作られた食品は、もともと自然界には絶対に存在しないものであり、それを人工的につくりだすことによって、今まで眠っていた遺伝子が急に目覚めたり、逆に全く働かなくなるなど、いろいろなことが起こる可能性が考えられるから。のところは無いと思うが将来どう影響するかがわからない。

ある。部分的に変えたら全体にも影響がありそうだから。ある。まだ分かっていない部分が多いだろうから。世界規模でやっている事業なので安全だと思うが、率先して食べないかも・・・。ある。遺伝子にバグがおきたとき、対応しきれない。無いと思う。問題があるなら、組換えを始めて30年くらいたっているのだから、見つかっていてもおかしくないと思うから。思いません。先生が言っていたから。無いと思う。日常、遺伝子というものを口にしているから。白黒。○か×かの二択で決するのは難しいと思う。ただ、世間一般で言われるほど問題があるとは思わない。色々な科学者が研究し、世間に出してきている以上、安全性についてはきちんと考えられていると思うので安全だと思う。

問題があると思う。なぜなら、人工的にやることによって、何か問題が起こると思う。あるような気がする。自然の流れに逆らうようなものだから。長い目で見ると、問題があるかもしれない。あると思う。全ての食品には有害物質が含まれているから。食品の安全性を完全に保証する科学的方法が無いから。身体への安全性はある。ただ、多面的発現や植物・動物体内での更なる組換えで、アレルゲンや毒性を生じる可能性はある。まあ、とても低い可能性だと思うけど。遺伝子治療を行った人が白血病を発症してしまうように、組換え食品からも健康を害する何か(アレルギーとか)が起こると思う。遺伝子組換え食品を学んだ上で特に安全性に問題があるとは思わない。しかし、私たちの子孫に害をおよぼすことが考えられるという声が気になるので安心して食べることは出来ない。無いと思います。私が考えた時点で問題があるようなものなら、外国はあそこまでたくさん作らないと思う。あると思う。日本じゃほとんどに使われていないから。害虫に害があるから人体にも少しはありそうだと思う。ある。あまりに栄養が良く、ワクチンが入った食品などを作ると、副産物で悪い物も出てくるかもしれない。人工的すぎて全般的に不安。まだ完全に安全かどうか解明されていないがために不安。無いと思う。安全性が高まるものも、危険性が高まるものもあると思う。この研究が進んでいる実態とマスコミの「遺伝子組換え食品は危険」であることをにおわす報道から。遺伝子を組み換えると聞くだけで、新たなアレルギーや人体に及ぼす悪影響が発見されて問題が出てきそうな気がする。無いと思う。物質そのものは同じだから。

Q5.遺伝子組換え技術は環境にどのような良い影響と悪い影響を与えると思いますか?

良:農薬の減少。悪:組み換えに頼って他がおろそかになる。土づくり、地産地消、etc.良:少ない作付けで多くの利益(食料の確保)悪:生態系の破壊(耐性雑種の発生とか、強い虫とか)良:農薬を減らして土壌汚染を少なくする。悪:遺伝子組換えした食物の花粉が非遺伝子組換えした食物と受粉してしまい、2つの隔てが無くなる。悪:遺伝子組換え作物によって生態系が破壊されてしまうと思う。また、害虫を殺す作物を人間が食べても大丈夫なのだろうか?食品なら、開発が進むにつれて廃棄率も下がるだろうし、あまり悪影響は思い付かないです。良:農薬が少量ですむ。悪:除草剤が効かないので、雑草みたいに大量繁殖しそう。良:農薬の量が減る。害虫が減る。悪:害虫が減ることによって、その虫を食べていた生物が、それを食べている生物が減りと、全体的な生物の個体が減少し、そのまま人間に返ってくる可能性がある。生態系を変えてしまう。植物などの外国種が、生息するように異種が現われることによって生態系を壊す。環境にはあまり良いことではないと思う。変な菌が広まっていきそう。やはり自然に反していることだから。良い影響はあると思うが、悪い影響は無いと思う。強く優れた作物が作れるので良い環境になると思う。良い影響は考え付かない。悪い影響は、外来種がもともといる種を少なくしていくように、組み返されていないものが減る?数が減っている植物などを増やしやすく出来るのは良いと思います。ただ、人間の都合の良いように作り変えていくので、それで環境のバランスがくずれてしまう(もうくずれている?)のではと感じられます。どのような悪影響を与えるのかは未知数。農薬などを少なく出来る。土がやせる。生産性を高めるのには効果的だと思うが、自然な作物でなくなることはあると思う。環境破壊の防止。良:冷害などの災害を防ぐことが出来る。悪:アレルギーの誘発良:農薬が少なくできる悪:わからない。悪:虫が死ぬから環境にはあまり良くないかも。と思いました。害虫だから良いのかもしれないですけど・・・。良:害虫・農薬の量が減る。悪:食物連鎖が崩れることによっての無理が生じる。生態系に影響が出そう。良:農薬など使わなくても良いし悪:植物の性質が変わるので生態系に影響するかもしれない。農薬を使わないで害虫を駆除できるのは良いと思うけど、逆に農薬に強い作物は、使用量が増えてしまうのではないかと思う。良:無駄な植物、生物がいなくなる。悪:生態系の崩壊。人間が何かの操作をしたことで、今までになかった生物や植物が生まれ、自然のバランスが崩れると思う。特に、環境汚染までは行かないけど、土などには悪い影響がありそうだと思う。クローンなどでもそうだが、命を操るということになり、ゆくゆくは、人にも応用されていくのではないだろうかという危機感。組み換えられた遺伝子による特性が子に遺伝していくことで、新たな能力を持つ生物が増加することが良し悪し両方につながると思う。土に害を与える農薬を使わなくてすむ。作物の収穫量が増える。自然に無い種が出てきて、生態系やそのほかに影響を与える。作物に重大な悪影響を及ぼす種も出てくるかもしれない。病気や暑さや寒さに強い植物ができたなら、発展途上国の人たちやもっと採算を取りたい人たちは助かると思う。減少・絶滅しつつある植物の遺伝子を少し変え、影響に強くすることで減少や絶滅を防げるかもしれない。けれども、それは根本的な解決ではないんじゃないだろうかと思う節もある。遺伝子組換えを使っている農家の稲の花粉が遺伝子組換えを使っていない農家の稲と受粉してしまい、変な遺伝子配置の稲ができてしまい農家の方が困るという弊害が生じているというニュースを見た。便利な技術を使うことは簡単だと思うが、それによってあるがままの自然を犯すことがある。生じる弊害やいろいろな問題を考慮して、人間だけでなく地球規模で利益がでるように技術を使いこなしていくことが大事だと思います。良:効率が良い。悪:生態系が崩れる。良:無いと思う。悪:遺伝子を組み換えた生物の影響で生態系が崩れるかも。一植物で生き残るのが一種類しかなくなるようなことになるかもしれない。今の時点では、まだ安全であるかどうかはっきりした結果は得られないが、私は、いずれ多かれ少なかれ問題が出てくると思います。なぜなら、遺伝子組換えで作られた食品は、もともと自然界には絶対に存在しないものであり、それを人工的に作り出すことによって、今まで眠っていた遺伝子が急に目覚めたり、逆に全く働かなくなるなど、いろいろなことが起こる可能性が考えられるから。まだわからないと思う。なぜなら、まだ新しい技術なので将来的に何か問題が出るかもしれないし、何もないかもしれないから。毒素が土の中に残ったり、遺伝子が拡散したりとか・・・。耐性のある病原体や雑草や虫も発生するかもしれない・良:新しいものを作り出せる。悪:自然のバランスが崩れる。

その他

雑種強制にみられるように、祖先種の保存が大事。組み換えも同じで、全てが組み換え植物だと困る。原種というか祖先種というか、そういったものの保存が必要。組み換え食品のタネ(大豆とか)は従来のものより安いのか?(農家のコストの面)組み換え食品が市場(スーパー)にでたら従来のものより安いのか?(消費者の立場)もし、組み換え食品ばかりが流通するようになって、従来の種(非組み換え食品)が地球上からなくなったとしたら、絶滅といえるのかしら??マスコミが、ただ危険性をあおるだけでなく的確にその功罪を明らかにすべきであると思う。納豆を買うときに、いままでは何も気にしなかったが、今度からは遺伝子組換えの表示を見ると少し気になると思う。これを書いてから、また新たなことを教えてもらって印象が変わりました。遺伝子組換えは人間にとっては良い技術だと思いますが、人間以外にとってはどうなんでしょうか・・・???なんとなく遺伝子組換えでない方が安全なように感じてしまうのは、遺伝子を組み換えるということは人工的な感じがしてしまうからだと思うが、従来の品種改良も同じことが言えると思った。遺伝子組換えはこれからもっと発達してほしいなと思った。


遺伝子組換え食品、食の安全についての総合討論(2004年8月6日)

司;こんにちは。今日は総合討論ということになっていますけれど、討論というよりは今回の講座を受けて皆さんそれぞれ知識が増えたし、昨日書いていただいたアンケートに書いてあったような漠然とした不安に対しては解消された部分もあります。一方で、今回の実習を通じて私たちの生活の場に遺伝子組換えの技術を利用したそういったものに対する更なる不安が生じた人もいらっしゃるかもしれません。そういったことについて、ここで皆さん方の色々な意見をそれぞれの方たちに喋って頂こうということで、これから30分ぐらいやろうかと考えています。次の題材を紹介いたします。最初に、トップバッターに指名して申し訳ありませんが、帯広農業高校の○君。いいですか?今回この講座を受けて、自分自身で遺伝子組換えについてどんな印象を受けましたか。

生;今後、食糧問題などで生産性を上げる為に一応取り入れていく必要があると思いました。

司;安全性についてはまだよくわからないとアンケートには書いてありますけど、どうですか。まだよくわからない?
生;はい。

司;じゃあ、順番にいきましょうか。

生;この講座を受ける前は、全く安全性が分からなくて“大丈夫だろう”みたいなことは思っていたのですが、今回話を聞いて、ただ作物は良くなくてもそれに集まる害虫とか、その害虫を食べる、そういうのが関係してその地域の生態系が変わってくるという話を聞いて、そしてまだ詳しく調べられていないと聞いて、日本で認められるには時間がかかるかなと思いました。

司;今の議論というのはこれまでも遺伝子組換え作物についてはしょっちゅう議論されている一つの問題点で、とっても大事なことだと思うのですが、君はあとどのくらいそれを検討するのに時間が必要だと思いますか。つまり環境に対して安全かどうかをたとえばこれから5年間調べたとします。そうすると5年間に分かってきたことでまたわからないことが必ず出てくるはずです。遺伝子組換え作物導入を考えている人たちが、今君が言ったような安全性を調べるために環境に対する調査を主張する立場の人たちに対しての批判的にそれをやっていると際限なくいつまでたっても導入できませんが、その点から言うと君はどのくらいそういった調査より時間が必要だと思いますか。

生;よくわからないのですけど・・・

司;自分の考えで構いませんよ。

生;検討つかないのですが、やっぱり5年、10年ぐらいかかるのかな。

司;そうすると、5年、10年ぐらいはそういう環境に対する影響が有るかどうかという調査を綿密に行ったうえでなければ導入はするべきではないと。

生;はい。一般の人たちが理解するようになるまでは無理だと思います。

司;今の考えについて何か意見有りませんか。じゃあ、こちらから3番テーブルの方、どうぞ。

生;遺伝子組換え作物のものが実際に食べられているというのは、アメリカ・イギリスなど海外では多くやっていることだし、日本も参考にして調べていけばもう少し早いと思います。

司;どのくらいですか。

生;23年で始まるのじゃないかと思っています。

司;あなたはそれでいいのじゃないかと考えているのですか。

生;はい。

司;君はどうですか。安全、環境に対する影響。今後日本に作物を栽培するとしたら、どのくらいの調査期間が必要だと考えますか。

生;10年以上は・・・。

司;5年から10年ぐらい。もっと短くてもいいという意見の人がいましたけど、もっと短くていいという意見の人はいませんか。つまりあと23年で導入しても構わないという方はいませんか。ということは、皆さん、やっぱりあと5年から10年ぐらいそういう調査をしてからじゃないと日本には入れるべきではないと考えるということですか。それでよろしいですか?どうぞ。

生;こういう講習とか遺伝子組換えのことにいっぱい関わらなくては、遺伝子組換えの食物がどういう部分が利点であって、どういう部分で欠点があるというのは全然分からないから、自分もこれに参加してみて初めて知ったので、もっと日本以外の外国はどうして遺伝子組換え作物を導入できているのかを一般の人たちに広めるべきだと思うから、そういうことをちゃんとやって、利点も欠点も知ってからなら遅くても早くても構わないと思います。

司;ということは、情報をもっと広く伝えることが一番大事だという考え方ですか?

生;情報に関してもっと深く知ることも大事だと思います。

司;みんなが良く知ってということですね。これは日本人が持っている非常に大きい特長なのですが、BSEの問題もそうですけれども“絶対に安全”という言い方をよく使うのですね。それでアメリカなどと牛肉の輸入のことでしょっちゅう問題になる考え方の違いとして、欧米ではなぜ導入されやすいのかという一つの理由があると思うのですけれど、ある程度初めから危険が有るものとして、ここまでの危険はしょうがないという考え方をわりと欧米人はよくしますね。だから危険が何%だったらばそれはO.K。つまり、100%安全ということを信じない。日本の場合はしばしば、100%の安全性ということを

唱える傾向が強い。何に対してもそうです。いつまでもそういう評価をするのに時間がかかるとか、安全性を100%求めることは果たしていいのかどうか事例を一つ私の方から出しましょう。

生;もっと日本の人たちがこれについて知ろうとしたり、報道されたりしたら期間が短くなると思います。

司;じゃあ、君はどうですか。

生;もしかして意外と短いかもしれないという考えなのですけれど、一応、日本はアメリカに頭が上がらないという状態だから欧米の圧力に負けて、意外と早く導入されるんじゃないかと思います。

司;今出た意見というのは、牛肉でも色々な問題が出ていますが、よく起こる事なんですね。ずばり言うならば、それはやっぱり良くないですよね。自分たちがよく納得して本当に早く導入するべきだというのならいいけれど、人に考えてもらうというのは大人の態度じゃないですよね。君はまだだね。どうぞ。

生;遺伝子組換え食品が安全といって、日本人が導入してもそこからまた問題が生じてくると思うし、私は遺伝子を組み替えたくないと思うので・・・人体に影響が起こってしまうかもしれないので、安全といわれても・・・

司;ということは、もともと入れるべきではないという考え方ですね。

生;よく分からないけど、問題がおきてからじゃ遅い。年数とかは分からないのですけど、あまりよくないと思います。

司;もともとようするに、遺伝子組換えとか、人の手が入っている人為的なそういったものは・・・

生;自然に反している。

司;じゃないかという風に考えるのですね。今の意見に対してどうですか。自然のままの方がいいのじゃないかという。こういう風に人の手をどんどん加えていくということに対して一つの反対意見が出たわけですけど、それについて何か意見ありませんか。指名しないとだめかな。はい、どうぞ。

先;今の意見はいい意見だと、久しぶりにいい意見を聞いたなと思いました。みんな色々な意見を言うときに、“みんなが”とか“世の中が”とか“おまえはどうなんだ!”という、それが欠けていたのですが、今のは“私としては遺伝子を操作するのは自然じゃないのでは、良くないのでは”という一つの哲学でしょう。一つの信念でしょう。それは私の考えとは違うのだけど尊重できます。私はもう、いじっても進化を加速させても仕方が無いのじゃないかと思っています。怖いのだけどもやっちゃおうという・・違うんだけどもすごくいい意見だと思うし、それで反対されるっていうのなら納得します。さっきもそうなのですが、チラッと先生も言っていたけど、この国の決定のあり方ってすごく科学的じゃないですね。全てに関して情緒的なのです。先ほど、“おそらくもっと早くなるのじゃないかって気がする”私もそんな気がします。どうしてかというと科学的じゃないから。だから何かやりたいとなったら住民が反対しようと関係ないのです。やるのです。やらないとなったらやらない。科学的根拠が無くて、そういうところがすごく引っかかります。科学はまったく間違いをしないっていうのが、かなり有効な手段だから私としては5年ぐらいで導入していくのがいいかな。どうして5年かというと多くの毒物で神経毒の一種というのが有って、5年から10年経ったら発症する場合があるって言います。商業的に実際に導入していってそこからみておけば“だめだ”ってことが分かったときに戻れるのじゃないかという気がしてて、それが追い抜こうと先端を走っていると痛い目にあうかもしれない。自信が無いときは、商業的導入は5年ぐらいおくといいのじゃないかと思います。個人的には。ただ、実験的導入というのは、研究室で行うべきものは全てやっておくべきだと思います。やろうと思ったらいつでも出来るのだから段階を踏んでいくべきだと思います。

司;はい。どうですか。先ほどの意見で、自然に手を加えるということに関しての問題なのだけど、今、食べ物はやっぱりそれ以外に遺伝子治療とか色々なことも今回のアンケートのテーマの中にもバイオテクノロジーということで有りましたけれど、ああいったこともあまり不自然なことまではやるべきではないという考えですか?

生;はい。

司;なるほど。

生;他の技術とかそういうことも関係無いと思います。

司;なるほど。今、だいたいこの問題についていくつか意見が出たと思うのですが、それ以外のこととして生態系に対する影響というか安全性ということ以外はそこの問題を今日の午前中の講義などでも話があったと思いますが、生態系に対する影響ということについてはどういう作物がどういう危険性が有る、というように、さっき誰かが話していたけれども、じゃあ、あなたどうです?

生;はい。組換えの作物によって害虫がそれを食べたら死んでしまうとか、それは午前中の講義を聞いていて何とも思わなかったという感じです。とにかく虫が嫌いでそれについては“あー、なるほどなあ”と思っただけなのですけど、やっぱり虫には虫の役割があるし、それを崩すのはどうかなと思います。

司;なるほど。君は?

生;生態系に関しては、僕は、食べたら害虫が死ぬというのは作るべきだと思います。それは、僕の家は農家なのですが、除草する作業はすごく大変で、母などは腰が痛いといいながらやっています。そういうのを見てると楽になって、作物もいっぱい採れるようになっていったほうがいいとは思うのですが、生態系っていう面から見ると崩れてしまうのかなと思うと、組換え作物を導入して崩れるか崩れないかをはっきりさせてから、そしてそれが崩れないとはっきりさせてから虫を殺す作物を導入してもいいとは思います。

司;今、生態系を崩すか崩さないかという観点で、崩さなければいいという調査の結果が出ればいいという考えが一つ出されたのだけど、それについてちょっと反論みたいなことを言います。どういうことかというと農業とかそういった作業は、人間が行う作業というのは基本的に生態系を壊す活動なのです。もともと雑草が生えたり、色んな植物が生えていて動物も色々いるようなところに、単一の人間に都合のいい物だけを作物として植える。つまり生態系をひとつのものにしていってしまう。では、多様性を排除していくっていうのは基本的に人間がやっている農作業とか社会的活動は大体そういう傾向が強いのですが、そういう意味では人間の存在そのものが生態系を壊していく存在だということは良くあるのじゃないかと思います。それのバランスをどう考えるかということは大事だと思います。だからそういう意味では人が生きていく為に食べ物を作らなくてはいけなくて、そのために食料になるような食べ物をたくさん作っていく。そういう考え方をして、物を植えていくということ自体がすでに自然に対してものすごくたくさんの働きかけをしていて生態系に手を加えていることは間違いのない事です。そういったなかで、遺伝子組換え作物っていうのは人が農業をやっていく時にある程度開墾するというかたちで分かる部分、そういった意味での農業などの一つの生態系に対する影響というものがあると同時に、今日の午前中の話でたとえば北海道の稲作で遺伝子導入の稲をどうするかということが少し前に問題になったのは知ってるでしょうか?ようするに稲っていうのは風媒花で、風で花粉が飛ぶのです。それで受粉をするので、農場で作ることによってその周辺に全く予期していない遺伝子導入の花粉が飛んでいってしまう。それで、実は北海道というのは全国と比べると遺伝子組換え作物の栽培に対しては規制が全国規制よりも北海道の方がきついです。そういったことを含めて、生態系に対して今彼が言ったことなども考えてみて、じゃあそちらの君、どう思いますか。じゃあ、先生どうぞ。

先;ちょっと質問があります。なぜ北海道が厳しいのか聞きたいと思ったのですが。よその県に比べて。

司;それはおそらく北海道で、周りでかなり強い反対があったにもかかわらず農業試験場で強行したからです。それで、それがきっかけになって全国でのこういう作物に対する・・

2;反対って言うよりも期間が短かったのですね。説明が足りなかったので、今度やるときは期間を何ヶ月か前に申請したらやりましょうということにしたのですが、道のほうとしては中途半端な話になっちゃったのです。そういう意味でそれは周りの人たちの反対で拒否できるという例になったのですね。ですから、そういう意味で厳しいっていうか・・。決まりがなかったので、今日やりますって言って今日蒔いてしまったわけです。一年後にやりますっていう話をして、周りの人に理解を求めてからやればよかったのに、今から蒔きますっていうような感じになってしまったのです。それがいけなかったので、ちゃんと周りの人に説明して理解を求める形にしたっていうのが実際のところです。

先;ありがとうございました。

司;それで、考えは。

生;あまり理科が得意ではないのですが。生態系のことについてちゃんと述べられないのですが、人間が人間のいいように生態系を壊していくというか、人間にしては都合のいいようにですね。人間にとってはたぶん、ずっと住み易いように住み易いように考えていると思うのでいいと思うのですけれど、人間以外の動物も住んでいるので人間とあまり関係ないような生物については人間が守っていけるかどうかというところがすごく問題だと思いますよね。

司;はい。お隣の君は。

生;遺伝子組換えで虫が死ぬって言うのはあまり私的にはどうでもいいと思うのですけど、でもやっぱり普通の植物を育てるにしても殺す液などかけてしまうと思うので、どっちにしても同じ結果になるのでそれは自分的には遺伝子組換えに賛成です。

司;ようするに、今の話からいうと殺虫剤を使うのと、それから遺伝子組換えの技術によって殺虫剤をあまり使わなくて済むのだったら、殺虫剤を使わないかたちでそういう遺伝子組換えを使う方が環境に対する影響が少ないのじゃないかという考えですね。君は。

生;やっぱり、人間っていうのは自分の都合のいいように自然を壊す生き物で、遺伝子組換えを導入してもしなくても変わらないような気がするのですよね。

司;そうすると君の考えって言うのは、遺伝子導入などの問題よりも、むしろ人が増えて自分勝手な活動をしていること自体が非常に自然の生態系に対する影響が大きいということですか。

生;大きいような気がします。また、遺伝子組換えを導入されても、へたすりゃ大量に動物が死ぬことになる。

司;はい。

2;それはまず、イメージ的な部分もまだあるのだけど、さっきから付け加えることは無いですか?遺伝子組換えというと何か特に、みんな犯しちゃいけない部分の話をしてるようなイメージを持っているかもしれないけれど、遺伝子っていうのはたタンパクなどと同じ物質だということを知ってくださいね。それで、遺伝子組換えっていうのはなんとなくイメージが良くないのだけど、農薬ってETタンパクというように農薬で売ってるわけです。虫が死ぬって言って。あれを遺伝子組換えで作らせて,そういうのを農薬で実際に売ってるのです。農薬で振りかけてもいいことになっている。これは普通に売っています。

3;遺伝仕組み換えの作物とかそういったものにすごくネガテブな印象を持っていると思うのですけど、ある程度色々なことを確認した上でなされたというのが今回の参加者にわかっていただいたと思うのですが全く逆にですね、「こういう遺伝子組換えの作品だったら私は食べれるのかしら。こういう物だったらもうちょっと作られたらいいのにな」っていう意見はないでしょうか。「こういう植物、こういう作物だったら全然いいじゃない」って言われるのじゃないかなって何か無いでしょうか。

生;遺伝子を組み換えて、栄養をたっぷりにした野菜などとても食べたいと思いますね。

1;栄養たっぷりっていう言い方で言うならば、たとえば味がいいとか甘味を増すなんて、私でも出来るのじゃないかなっていう気がするくらいですね。ようするに糖度を増すためにそちらの方の遺伝子を活性化させるような形は技術的には現在非常に簡単に出来そうな部分ですし、それから色々な機敏性を高めたそういった作物というのは現実に作られつつあります。君たちに配られた物でいうとステップ3ですか、ここのところに生産性向上の意味があります。君はじゃあ、

生;今、農業とか有機農業などで、食の安全とかで高い野菜を買う傾向がありますよね。それで、遺伝子組換えでそういう安全な作物を作ったほうが安く買えるのでそっちのほうがいいかなと思います。

1;安くてということですね。生産性だな。あなたはどうですか。

生;アレルギーが問題になる作物を作るのだったらいやだと思うけど、私は遺伝子が組み換えられてるという時点で、そういう作物には抵抗があります。

1;今のその話についてちょっと聞きたいのですが、遺伝子をバイオテクノロジーで組み換えるのは自分としては良くないと思うっていう考えだと思いますが、現実に育種とか色々なかたちでこういう技術を使わないで、人間に都合のいい生き物を選抜していくっていうのがずっと行われてきたのです。たとえば、たくさん実のなる稲とたくさん実のなる稲とを掛け合わせて、どんどんたくさん実がなるようにしているとか、豚などにも、胴体の長い豚をどんどん生産しているというかたちで、そういう実験を遺伝的に肉がたくさん取れる育種は、バイオテクノロジーが出来る前からずっと育種として行われてきたことですよね。じゃあ、お隣は。

生;ちょっと考え方が被るところもあると思うのですけど、遺伝子組換えをオープンにすることで元の作物を人間とか動物によっていい方向にしていると言うか、たとえば遺伝子を組み換えることによって、タンパク質とか人間の体内に入ったときに栄養素になったり、体のトラブルを助けてくれたりするのだったら良いと思うのですが、やっぱり私も遺伝子組換えっていうことに関してはどうかなと思います。

1;考え方としては、バイオテクノロジーを含む技術そのものに抵抗があるというところかな。お隣はいかがです。

2;その前に、ちょっといいですか?育種では遺伝子が組換えられていませんか?

1;育種による生産量増加の必要性は、世界の人口増加の問題とも関係ありますね。

2;人口増加の話が全然出てないのですけど、先生はそっちのほう・・・。

先;今日の講義からは離れますけど、自分の経験からって言うことで・・私はJICAの協力隊で中米の方へ2年間行ってました。人口増加という点と先ほど先生がおっしゃっていました富の不均衡、分配というのをこの目で見てきました。自分なりに考えた上では全く答えは出ていません。人間は無い所では無いなりに生きていきます。それで日本に帰って来まして、有るなりの生活に満足しています。人口増加という点、食べ物が無い?ある所にはありますけど、そのなかの状況というのは科学ではなかなか解決できないところに原因があるのではないかと思います。もしそういう国で、どうしても効率的に生産をしなければならない、農薬を買う金も無い、その場合はたぶん遺伝子組換え作物を選択されるのは当然だと思います。ある程度のリスクを考える前に、そこで人が死んでいくのであれば、そこで養っていかなければならないというふうに考えるのであればその国なり、そこの科学者が選択するのは当然であると思います。ですけれども、私は緑の樹木がいっぱいあって、その時の経験もありますので、ある程度の場合は考えることは必要だと思うのですけども、じゃあ日本で導入するかしないかですけれども今回の題材に出ていた大豆であれば遺伝子そのものに危険性はないという事は出ていまして、植物の中にある除草剤が残っているか残っていないかが安全性の基準だと思うのです。たとえばの話ですが、この除草剤は植物の中に入るわけですから、それが無くなるまで危険なわけですから、農家の方が3日前に間違って撒いてしまったとします。それを出荷してしまって、それを食べたらそれは危険です。けれど農家の方たちはそういう事をしないので、ある程度何回か撒いて安全だということは立証されたと思うのです。私もどちらかというとこのバイテクを学んで、高校生のときに選んで大学に行って、今、先生をやっているのですが、こういう選び方もあるとは思います。人生は。ちょっと話が飛び飛びなのですが、人口増加を止めるとかそういう活動はちょっとここからはなかなか出てこないみたいなので、生きている人間をどうしていくかというのであれば私の考えとしては、選択せざる終えないと思います。・・・・今回は理科教員のみ募集していただいき参加させていただいたのですけれど、提案という形ではないですが、出来れば高校であれば社会科の先生方もおられますし、色々とそういう見方もあるのだという話も職員室でします。社会の先生方も私たちが言うことについて「あ、そうなんだ」と言うこともありますので、こういう場を出来れば社会科とか他教科の先生にも広げていただければ、もっと学校の中で生徒に対して色々な話が出来ると思います。

1;じゃあ、隣の方。

先;はい。私も理科教員ですけれども、遺伝子組換え独自については大学生の時にはもう、56年位前の話なのですが、その時に研究室内で農薬と遺伝子組換え食品についてという勉強会をしまして、その時に色々な意見交換をして56年経ったからどうなってるのだろうと思って今回参加したのですけれども、あまり皆の不安な気持ちは何年経っても変わらないものではないんだという、自分もまだ勉強不足なところがあると自覚する2日間でした。私個人の考えとしましては実家が農家なので、農家であるゆえに農薬をいかに使うかという、分量もある程度勉強して知っていますので、農薬の害を・・人に影響が出ていたり生態系にも影響が出ているのが今の現状ですので、たとえ遺伝子組換え食品を植えてまた更に何かが起こったって言われても私としてはもう散々壊れているから仕方が無いんじゃないって言うのが、自分勝手なのですけれどもほんとの気持ちなんですね。私がその組換え食品を入れざるを得ないってなったときにどう考えていくか、将来に向けて、もしかしたらもっと更に地球環境が悪くなるかもしれない・・そういう時に自分たちが遺伝子組換え食品であったり、農薬とある意味共存している他の生体環境も配慮してひかえめな態度を取ってどう生きていくかっていうのを考えていけばいいのかなという話を時々授業の中ですることがあります。

先;はい。私自身、これまで遺伝子組換え食品を出来るだけ食べないようにしてきました。その理由としてはやはり危険という意識が強かったのですが、今回この講義を受けて、遺伝子そのものは危険じゃないと分かったのですけれど、やっぱりまだ硬いというか、そんな気がするのでそこらへんがはっきりしない限りは食べない気がしてます。あと、どんな組換え作物が出来ればいいかと生徒たちに質問してたので考えたのですけど、たとえば砂漠で育つような作物が出来ればいいかなと思います。

1;それじゃ、お隣さん。

先;はい。私も2日間講義と実験に参加させていただいたのですけれども、遺伝子組換えの実験は学生の頃当たり前のようにしていたことだったので、私は遺伝子組換えの作物に全く抵抗がなくて、豆腐を買うにしても大豆の食品を買うにしてもよく遺伝子組換えでないと書いてありますけれどそういった記載は全く気にせず買っていたほうです。日本では人口増加率が一番低かったと週刊誌の記事に書いてありましたが、世界ではこのままでの農地面積では間違いなく食料が足りなくなると書いてあり、農地が足りないのだったら今度は海底を使おうという研究が始まると聞いてますので、もっともっと私としては遺伝子組換えの研究が進めばいいなと思っています。ただアンケートで今日午前中に生体面では問題は無いけれども生態系が崩れるという話を聞いてですね、ちょっと、やっぱり利点だけでなく欠点をもっと加えて勉強しなくてはいけないなと思いました。

1;どうですか。

先;私はこの2日間講義と実験を受けさせていただいて、まず皆さんの意見を聞いていて、遺伝子組換えに積極的な意見を持った人だけが参加しているのじゃないということにまず驚きました。それで、その意見の中でも自然に出来ている物だからいいと言う、私からしたら雰囲気的な考え方なのですけれども自然のものでも体に悪いものがたくさんありますし、遺伝子組換えではっきり分かっているところを組み換えているほうが私からしたらかえって分かりやすいのかなという感じなのですけれども、そういう技術を持って、知識を持って遺伝子操作をする人たちだけでなく世界全体の事情を詳しく分かっている人たち、そのどちらも良く分かっている人たちにより深く情報を正しく皆で    するというのは何をするにしても大切だなと思います。

1;ありがとうございました。遺伝子組換え食品のメリットって、ようするに食糧生産の必要性って言うことは今言われてきましたけれど、ちょっと難しい問題もあるなという気が実はしています。私自身、熱帯病の対策でアフリカへ行ったときに実は病気を無くすということと平行してファミリープランニングという、家族計画っていうのがすごく問題になっていました。ようするに、避妊をし子供を作り過ぎないっていうことを非常に重点目標としてやっていたのです。そこのところで人口抑制が出来ないとたぶん遺伝子組換えでいくら生産性を上げても追いつかないのじゃないかという気がしますね。それで私はマラリアとか蚊が媒介する伝染病の撲滅を目指して仕事をしてきた訳ですけれど、やっていていつも現地で活動していて思ったのは、せっかく病気が減ってきてその地域の人口、生活環境がよくなってくると戦争を始めるんですね。人間っていうものは本当に地球上に生まれるべきではなかった生き物なのかなと思ったりすることがあります。こういうところから言うと、こういう色々なバイオテクノロジー、さっき自然の摂理とかそういった話が出ましたけれど、そのようなことについて最近大学でも学生などは、人は何のために生きているのかとか、あまりそういうことは考えたり話したりすることがずいぶんなくなってきました。今回は、色々と自分で物を考える、今回の講座で知識をたくさん身につけてもらったことや、短い時間ではありましたがある程度自分の意見を言ってもらったり、そういったことをそれぞれの学校へ戻ったり、あるいは家族と話したりしながら自分自身で自分の意見をぶつけ合ってください。さっき、上手く言えないっていう言い方がありましたけれど、人と話をしたりする中で人に分かってもらえるように話すと自分の考えもまとまってくるってことがあります。そういうことを自分たちでこの講座の後にやっていただけるとありがたいなと思います。短い時間でしたけれど総合討論の時間は終わりたいと思います。


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