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Research

農作業用フェィールドコンピュータの開発

3次元CAD/CAEによるビートタッパの高精度高速化に関する研究

ブームスプレーヤの散布精度についての研究

太陽光発電における陶器の野菜栽培について

マニュアスプレッダの散布特性向上に関する研究

キャベツの収穫適期判定システムの開発に関する研究

現在,キャベツの生産は,長野県や愛知県が主産地となっていますが,夏秋に生産される露地キャベツは北海道が最も多く生産しています。
現在,キャベツの収穫は殆ど人手によって行われていますが,1個1〜2kgのキャベツを一日中収穫することは生産者にとって大変な苦痛を与えます。このため,最近はキャベツ収穫機が開発され,一部大規模生産者に利用され始めてきています。しかし,収穫時期のキャベツは生育差が大きく,一斉収穫機によって収穫すると未熟なキャベツも多く収穫してしまい,製品の歩留まりが低下して収益性も低くなる問題があります。そこで考えられるのがキャベツ収穫ロボットですが,機械的にこのキャベツは収穫OK,これはまだ早い,と言った収穫適期判定の技術は開発されていません。

一般に,生産者はキャベツの熟度を結球の大きさ,硬さ,半展開葉(球頭中央部にある葉)のめくれ具合や色つやなどで判定しています。そこで,本研究では2段階圧縮法でキャベツの硬さを求め,またレーザ距離センサで結球の非接触3次元計測を行い結球の大きさと半展開葉の状態からキャベツの収穫適期判定を行おうとするものです。

主な研究論文等

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:圧縮法によるキャベツ収穫適期判定の基礎的研究,農業機械学会誌,Vol.63,1,p81-86,2001

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:三次元視覚センサによるキャベツ結球の形状計測と収穫適期判定,農業機械学会誌,Vol.63,1,p87-92,2001

超音波センサによる大型スプレーヤのブーム高さ制御に関する研究

北海道の畑作地帯では大型ブームスプレーヤが使われており,トラクタの大型化に伴ってタンク容量や散布幅が拡大する傾向にあります。特に,散布幅はトラクタ直装式が18m,けん引式や自走式では30mにも及んでおります。散布幅の広いスプレーヤの場合,圃場の起伏や走行路面の凹凸により,ブーム先端の高さが大きく変動し,ブームが作物や地面に接触するなど作業性を大きく低下させる原因となっています。
本研究は,各ブームに超音波センサを取り付けて常時作業中のブーム高さを非接触で検出し,マイクロプロセッサを組み込んだブーム高さ自動制御装置によってブームを動かす油圧を制御して,最適なブーム高さに自動コントロールすることを目的としています。

この装置によって,農家の方々は今までのようにトラクタ後方のブーム状態を監視して手動調節することなく安全にかつ快適に作業することができるようになります。また,散布幅の広いブームスプレーヤでも常に均一高さでの防除作業が可能になり,農薬の風によるドリフト(漂流飛散)を抑えるなどの,クリーン防除が可能になります。

主な研究論文等

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:超音波センサによるブームスプレーヤの噴霧高さ制御 (第1報)超音波による噴霧高さの検出特性,農業機械学会誌,Vol.54,2,p31-39,1992

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:超音波センサによるブームスプレーヤの噴霧高さ制御(第2報)噴霧高さ自動制御装置の開発,農業機械学会誌,Vol.56,6,p59-67,1994

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:十勝地方の大規模畑作地帯における防除作業の実態調査,農作業研究,Vol.37,3,p153-160,2002

佐藤禎稔,宮本啓二,松田清明:ブームスプレーヤの噴霧高さの実態,帯広畜産大学学術研究報告,Vol.17,p289-297,1991

Tadatoshi SATOW, Keiji MIYAMOTO, Kiyoaki MATSUDA: Influence of droplet size of spray on drift characteristics,Res. Bull. Obihiro Univ., Vol.18,p97-104,1993

高品質ナガイモの栽培管理に関する研究

慣行の栽培法は,トレンチャと呼ばれる機械で,連続的な深溝播種床を造り,そこに種芋を播種して栽培しますが,ナガイモの性質上軟らかい土に向かって成長するため,曲がったナガイモも多くなる欠点があります。そこで,当研究室では不連続の円柱床を造り,それでナガイモを栽培するとまっすぐでまんまるなナガイモを多く生産できる栽培法を考案しました。また,1台の機械で播種床造成と収穫を行える機械を試作しております。

主な研究論文等

松田清明,宮本啓二,佐藤禎稔:ナガイモ堀取り機の収穫作業体系と作業性能および負担面積,農作業研究(日本農作業学会誌),Vol.36,3,p163-170,2001

サツマイモの乾燥調整に関する研究

暗渠土管自動敷設機の開発に関する研究

農用地の生産性を向上させるために,古くから暗渠排水事業が行われています。しかし,素焼土管は環境に優しく,耐久性に優れ,排水効果が高い反面,取り扱いが難しく,その敷設に多大な労力を要しています。そこで,本研究は土管敷設の省力化とコスト低減を目的に,開発中の暗渠土管自動敷設機の作業精度および汎用性向上に関する総合的な開発研究を行っています。予めバックホー等で掘削された暗渠溝に対して,この敷設機はコンピュータ制御よって連続的に素焼土管を繰り出し,敷設用のシュートを土管が滑り落ち,写真のように暗渠底に連続的に土管を敷設します。また,土管が暗渠底の中心に敷設されるように,溝の位置を2個の光センサで検出し,コンピュータと油圧制御によって自動的にシュート部が左右にスライドする構造になっています。

主な研究論文等

佐藤禎稔,森田武,宮下行雄,大橋敏伸 他:管材の自動敷設機,特許出願番号:2002-11077

佐藤禎稔・松田清明・弘中和憲・辻 修・原 令幸:暗渠土管自動敷設機の開発(第1報)−慣行手作業の土管敷設作業とその作業能率−.農業機械学会北海道支部会報,45:55-62, 2005

佐藤禎稔・松田清明・原 令幸・大橋敏伸・宮下行雄・森田 武:暗渠土管自動敷設機の開発(第2報)−暗渠土管自動敷設機の概要と作業性能の評価−.農業機械学会北海道支部会報,45:63-70, 2005

レーザ式作物列センサによる作物列自動追従システムの開発

北海道の畑作は,耕うん整地から収穫まで一貫した機械化栽培体系が整備されています。そのなかで特に,播種・移植,中耕除草,収穫作業では生育している作物の畦に作業機を正確に合わせて作業しなければならず,高精度な畦合わせ作業が要求されています。その中でも中耕除草作業は,作業回数も多く,かつトラクタ後方の作業機を作物列に高精度に畦合わせすることが求められ,作業者は後方を頻繁に振り返り,作業機と作物の位置関係を確認したり,また前を見ている場合でも前輪と作物列との位置関係に細心の注意を払いながらトラクタの舵取り操作を行っています。

そこで,本研究は図のように,作業機側にレーザ式作物列センサを取り付け,常にセンサの真下を作物が通過するように,トラクタのロアリンクに取り付けた油圧シリンダの自動追従装置によって作業機を左右にスライドさせ,作物列に追従させる制御システムの開発を目的としています。

主な研究論文等

佐藤禎稔,松田清明,佐藤栄基,申宝明:三次元視覚センサによる作物列検出システムへの応用,農業機械学会北支報,Vol44,p29-34,,2004

Satow T., K. Matsuda, S. B. Ming, K. Hironaka and D. L. S. Tan : Development of Laser Crop Row Sensor for Automatic Guidance System of Implements.Automation Technology for Off-Road Equipment 2004, American Society of Agricultural Engineers (ASAE), Michigan USA, ISBN 1-892769-45-X, pp.131-139, 2004