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研究室について

概要

空撮

帯広畜産大学「草地生態学研究室」では,日本およびアジア・オセアニア を中心とした 草地生態系を対象に,草地の保全と持続的な管理・利用を目的として, リモートセンシングを使った牧草や飼料作物の生産性やその飼料成分の広域的な推定, GPSやGISなどIT技術を使った放牧期間中の家畜行動のモニタリングなどから, 草地の生産性とその環境との関係について研究しています。


草地の生産性向上と生態系の保全

植生調査

草地/草原は,日本国内では国土面積の約5%と非常に小さな生態系ですが,世界に目を向けてみると陸域面積の約3割を占める巨大な生態系です。草地生態系では,砂漠化や土地劣化などの環境問題に加えて,多様性の保全や炭素収支への貢献,さらに近年では,生態系サービスや社会文化の多様性などの多面的な草原の役割についても関心が高まっています。また,世界の草地生態系では,推定18億頭の家畜に飼料を供給しているといわれており,近い将来に予想される食糧問題の解決のためにも,持続的な生産性の向上も重要な課題です。



NZ草地

現存する草地生態系を保全しつつ,同時に生産性を維持すること,すなわち保全と利用の両立が重要です。そのためには,草地生態系を構成する土壌-草-動物の関係と,それらを取り囲む環境の要因について,時間・空間的な変動を1つの生態システムとして解析することが求められます。この目的に向けて,草地生態学研究室では,植物を中心に個体~群落~地域までのスケールを対象とした様々な取り組みを行っています。植物以外にも,土壌の肥沃度や放牧家畜の採食・排泄場所の空間分布パターンなども扱います。

調査エリアは,日本だけでなく中国や韓国,モンゴル,ニュージーランド,オーストラリアでも研究をすることがあります。その他の地域でも,草地があれば全てが研究対象です。


リモートセンシングやGISといったツールを使う

植生調査

テレビで天気予報を見るように,自宅にいながらボタン一つで農場の牧草生育状況や 放牧家畜の生体情報をリアルタイムな情報として得ることはできないだろうか? 生産者にとって,農場の現況がわかれば,きめ細かい草地管理による飼料・家畜生産性の 向上につながります。その一方で,過剰な肥料散布を低減することで,環境への影響を 最小限にすることも可能になると期待されます。



草分け

精密な草地・放牧管理のためには,以下のようなツールが必要になります。
(1) 時々刻々と変化する草資源量と広域的かつ定量的な把握が可能
(2) 広大な放牧地に放たれた家畜の生体情報をリアルタイムで監視
そこで本研究室では,リモートセンシングを使用した広域かつ面的な草地診断情報と, GPSなどIT機器を取り付けた家畜から得られる放牧行動の空間分布情報を蓄積,統合,解析し, さらにリアルタイム情報としてインターネット上で閲覧可能な精密放牧監視システムの構築を 目指しています。


草分け

研究内容の詳細については,「研究内容」のページをご覧ください。