「卒業論文」は、皆様の知識、分析能力の成果を結実するものであります。早い段階から論文作成に取り込むことが望ましいのですが、卒論を作成する時、いくつかの注意点があります。

  1. 卒論は「学術論文」です論理的な一貫性と資料による裏付けが必要です。
  2. なぜそのテーマを選んだのか自分の研究の問題意識を明確する必要があります。
  3. 可能なテーマを選ぶことテーマが難しすぎると、仕上げるのは困難です。そのテーマによる執筆が可能かどうかを指導教員、所属ユニットの教員、先輩によく相談してください。
  4. 先行研究を必ず把握することどの研究にも蓄積された研究があります。また自分の関心がある事例を直接扱わなくても、その理論的枠組みや方法論を自分の研究に活用することができます。関心があるテーマの文献を見つけることがポイントですが、同時に他の研究にも目を向けてください。
  5. 論文構成にも注意してくださいどの卒論にも序論本論結論が必要です。まず序論では「背景説明」と「問題提起」を書いてください。前者では、卒論を読むために必要な知識を読者に与えてください。一方、後者では卒論で取り上げる問題は何かを示してください。次に本論では、各章がテーマのどのような側面を扱って、相互にどのように連関しているかをはっきりしてください。各章の冒頭では、その章で何を論ずるのかを必ず説明し、最後の部分では主要の情報を要約することを試みてください。最後に結論では、卒論全体を総括し、序論の「問題提起」にどう答えたのか、残された課題は、何かをはっきり述べてください。論文の成果に基づく将来の展望も示してください。
  6. 参考文献は必ず書くことしつこく言いますが、皆さんが執筆する論文はあくまでも「学術論文」です。単なる個人的なコメントを書く場所ではありません。選んだテーマによって様態は異なりますが、先行研究、方法論、理論的枠組み、といった要素をしっかり押さえ、自分の論じたいテーマに関して、十分な資料を根拠に説得力のある論理を展開する必要があります。そこで重要となるのが、皆さんが調べた文献です。これがないと論文に信憑性がなくなってしまいます。論文に使用する文献には、基本的に「引用文献」と「参考文献」の二つのタイプがあります。これは引用のガイド参考文献のガイドで詳しく説明しています。参考にしてください。
  7. 本文での議論をわかりやすくするために図や表を活用してください図や表は本文中、引照文の次の頁に挿入してください。この場合、図表は別の用紙に記入して、本文文書と同一頁に混じり合わないようにしてください。なお、図と表の各々に通して便号をつけてください。多い時には、図2-5(第二章の5番目の図)のように書いてください。また各図表には番号に続いて、必ず表題をつけてください。最後に図表の情報の出拠文献をを最下部に明記してください。
  8. 用紙の指定について数十年前、日本では卒論を手書きで書くのが普通でしたが、コンピューターの普及によって、現在はワードプロセッサーを使うのが主流です。コンピューターで書く場合、次のようなことを守ってください。卒論横書きで執筆し、A4用紙を使ってください。上下左右各2〜3cmの余白をとって、1ページの文字数は1200字(40字/行x30行)にしてください。ページ数は下の欄外の適当の位置につけてください。章が変わる時にはかならず改ページをします。

 もっと詳しく知りたい人は下記の書籍を参考にしてください。書きたいテーマや専門分野によって論文の書き方も若干違います。

  • 酒井聡樹『これから論文を書く若者のために』(共立出版、2011年)
  • 木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書、1981年)
  • トゥラビアン・ケイト『シカゴ・スタイル―研究論文執筆マニュアル』(慶應義塾大学出版会、2012年)











メトロポリタン大聖堂 (メキシコ・シティ) ククルカン神殿 (メキシコ) アンティグア(グアテマラ) ブルーホール(ベリーズ) アレナル火山 (コスタリカ) エルサルバドル パナマ運河 ドミニカ共和国 ハバナ(キューバ) ハバナ(キューバ) マチュピチュ(ペルー) リオ(ブラジル) ボンボネラ・スタジアム(アルゼンチン)