沿革

平成14年に記載されたと思われる病理学教室の沿革です。当時の記載のまま残しておくべきものだと考えられたため、句読点も含めて一切修正していません。必要に応じて一部別項目で追加しています。

講座の沿革

開学以来,55年の歴史をもつ家畜病理学講座は市川厚一(1941年~1945年,北海道帝国大学農学部比較病理学講座教授兼任),上田 晃(1942年~1978年),小野 威(1979年~1987年),中川迪夫(1990年~1996年),松井高峯(1997年~)と5名の教授により引き継がれ,金堂英治助手(1943年~1948年),兼子樹広助手(1963年~1967年),田村 哲助手(1967年~1982年),谷山弘行助手(1980年~1987年),松井高峯講師(1984年~1988年)並びに助教授(1988年~1997年),白川 正助手(1987年~1989年)及び古岡秀文助手(1991年~)を始め,清水祥夫,高玉祐子,藤巻征一,菅野慧子,桑谷 豊,天野八州子,安井くに子,田中悦子,浜村恵子,土屋文子,鈴木加寿世等の教務並びに非常勤職員の協力のもとに家畜病理学の教育研究を行ってきた。

家畜寄生虫病学の教育については,1992年以降原虫病分子免疫研究センター及び家畜生理学講座の先生方にお願いすることとなった。

研究室は1963年学部棟完成後,二階南棟の一隅を占めている。病理解剖室は1970年に健体解剖室に並んで建設され,次いで1974年3月焼却炉が病理解剖室の西側に付設された。

1956年以降の講座所属の学部卒業生は134名,修士課程修了者は32名を数える。

研究の特徴

本学が我が国有数の畜産基地である東北海道に位置することから,ウシ,ウマ,ヒツジなどの産業動物の野外で発生する疾病を主たる研究対象としている。感染性疾病,特に急性伝染病については,防疫上家畜保健衛生所が対応する。従って,大学の研究室では,代謝性疾患,遺伝病,腫瘍,遅発性感染病,日和見感染症及び原因不明の疾病などが当面の研究対象である。

本病理学教室の特徴はウシ,ウマ,ヒツジなど地域の産業動物の神経疾患並びに神経筋疾患の病理学的研究に力を注いできたことにあり,特に筋病理学に組織化学的手法を導入し,この研究領域では我が国獣医界でも屈指の実績を有すると言っても過言でないが,その萌芽はすでに初期の研究に見ることが出来る。一方,ヌードマウスの繁殖施設が導入され,家畜の悪性腫瘍の分化誘導についての研究も行われている。

開学以来,1985年までの教室の発表論文をみると,十勝地方で発生する馬の腰ふら病がシダ摂取によることを明らかにした「馬の腰ふら起病論」は1954年上田教授の博士論文となった。他に,十勝地方における家畜の包虫症,牛乳房炎,同地方のウマのセタリア症,家畜の肝硬変,馬伝染性貧血,ウシ血尿症,ウマのアレルギー性皮膚炎等の疾病についての研究が北海道大学比較病理学教室とも共同して行われた。

1959年,小野講師(当時)は仔羊の筋肉リウマチスに関する研究で北海道大学より学位を授与された。1961年,北海道大学獣医学部長だった山極三郎教授が本学学長として赴任され,ニワトリ白血病についての系統的な研究が行われた。その後,ニワトリ初生雛の筋肉病変,ウマの菜豆稈中毒,雛のび爛性気嚢炎,仔ウマの地方病性筋変性症,仔ウシの白肉症,ウシの全身性類澱粉症,孵化ひなの筋病変,無毛を主徴とするウシ奇形,一地域に多発した奇形仔ウシの骨格筋病変,ブタのマラコプラキア症,日本ウズラの糖原病及びスクレイピー等についての研究が行われた。

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