12月12日,19日の2回にわたり「アニマルウェルフェアと持続的な農畜産業経営」を実施しました。
本講義は,日本においてインバウンド需要の拡大や,畜産物の輸出などをきっかけとして議論になりつつあるアニマルウェルフェアについて,基礎的な理解を得るとともに,農畜産業経営においてアニマルウェルフェアの視点がどのような効果をもたらすのか,経営・経済学的に理解することを目指す科目です。
第1回目は,本学の瀬尾哲也准教授が講師を務め,アニマルウェルフェアの基礎知識について学びました。
はじめに、酪農家・畜産農家の間で肯定的・否定的な意見が存在する現状を踏まえつつ,2025年6月に首相官邸で公表された「新たな国際標準戦略」において,アニマルウェルフェアへの対応が重要視されている点について説明がありました。続いて,アニマルウェルフェアとは,「動物の状態を良くすること」であり,行動や生理的指標に基づいて科学的に評価される概念であること,動物愛護との違いについて解説がありました。さらに,国内外の企業におけるアニマルウェルフェア認証商品の事例紹介や,アニマルウェルフェアに配慮した飼養行動が生産性に与える影響に関する研究成果についても紹介されました。
第2回目は,本学の岩本博幸教授が講師となり,アニマルウェルフェアが生まれた歴史的・思想的背景について説明した後,海外および日本における現在の政策について紹介されました。続いて,アニマルウェルフェアに配慮することによる畜産経営上のメリットやデメリットについて説明し,全国の酪農家を対象に畜産協会が実施した,アニマルウェルフェアの取組状況に関する調査結果が紹介されました。また,岩本教授が実施した消費者調査をもとに,アニマルウェルフェア畜産物に対する評価について報告があり,消費者の認知度は必ずしも高くない一方で,アニマルウェルフェアの考え方に賛同する意識は高いことが示されました。
両講義を通じて受講生から質問が寄せられ,アニマルウェルフェアを農畜産経営と結び付けて理解を深める機会となりました。





