フードチェーンとは

 私たちの健康に悪影響を及ぼす有害物質は大きく有害微生物と有害化学物質に分けられます。有害微生物というは、黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸管出血性大腸菌O157、ノロウイルスなど、一般に食中毒菌と呼ばれるもので、土壌、河川、動物、工場、調理場、人など至るところに存在し、環境中や動物や人の消化管内で増えることがあります。有害化学物というのは、ヒ素、水銀、鉛などの重金属や、工場からの排水や排気ガスに含まれる化合物、キノコ毒、カビ毒、貝毒などの生物が合成する毒素などです。有害化学物質も至るところに存在し、さらに、加熱などによる化学反応により、無害な化学物質から作られることもあります。このことを理解した上で、食品安全委員会の用語集の「フードチェーン」を見ると、「食品の一次生産から販売に至るまでの食品供給の行程のことをいう。食品供給行程の各段階であらゆる要素が食品の安全性に影響を及ぼす可能性があるため、各段階で必要な対応が適切に取られるべきである。」と書いてあり、フードチェーン全体で考えることの重要性が分かると思います。

 例えば、腸管出血性大腸菌O157は牛の体表、糞便、消化管内容物にいることがあります。見た目は健康なので、と畜場で畜検査員(獣医師)が見ても感染牛を見つけることはできません。なので、と畜場では、体表が汚れている牛の受け入れを拒否したり、牛肉が糞便や消化管内容物で汚れたりしないよう、食道や肛門を縛る(結紮)などの対策を行っています。また、食肉加工場、飲食店、精肉店では、腸管出血性大腸菌O157が増えないように、牛肉を保管する際には低温を維持し、調理の際は中心部まで加熱します。

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